アスリートの生い立ちや人生のターニングポイントを聞く「わたしのツクリカタ」。宇都宮ブレックスの特別指定選手、高島紳司(22)編の最終回です。大阪エヴェッサで2シーズンプレーしたあと、大学最終学年で宇都宮を選んだ理由とは。それは、思い描く理想の選手像にありました。(取材・構成=沢田啓太郎)
◆高島紳司(たかしま・しんじ)2000年10月13日生まれ、大阪府出身。北陸高(福井)から大東文化大に進学。2020-21シーズン、2021-22シーズンは大阪エヴェッサの特別指定選手としてプレーし、今季から宇都宮ブレックスに所属。U18、U22日本代表。191センチ、86キロ。
-大阪エヴェッサで2年間、特別指定選手としてプレーしました
高島 2年生のシーズンが終わった時、西尾監督が練習生として行けるところを探してくださいました。そのなかで、実家から通えて金銭的にも負担が少ないのが大阪でした。実家だとごはんも出るし、泊まるところもお金はかかりませんから。最初は練習生という形で参加させてもらって、練習していくなかで気づけば契約してもらっていたという感じですね。
-大学とプロは当然ながら違う
高島 最初は圧倒されたというか、自分に足らないものがいっぱいあるなって本当に思ったし、自分はまだまだだな、ということをあらためて感じることができました。
-自分に一番足りないもの、違うなと思えたものは
高島 1つ1つのプレーの精度だったり、強度というのは今まで全く感じたことがないものでした。
-強度とは具体的に言えば
高島 ディフェンスの圧だったり、1つ1つのポジショニング、体の当たり合いとか。大学では全く感じないことを感じました。
-ならば、そこを鍛えていこうと
高島 そうです。そこを一生懸命、ひたすら練習していましたね。
-そのおかげもあって(特指)2年目に爆発した
高島 選手も監督も代わっていなかったし、システムも変わっていなかったので、やりやすかったというのはあります。
-今年度も大阪でプレーすると思っていた人は多い
高島 けっこう言われます。今シーズンも大阪でしょ、みたいな。ブレックスに決まる前にほかの大学の人と話したら、同じことを言われました。
-なぜ宇都宮ブレックスを選んだのですか
高島 もちろん各チームそれぞれに魅力があると思うし、そこでしか学べないものもあると思います。ブレックスは昨シーズンのチャンピオンチームでもありますし、僕がずっと動画で見ていた比江島選手もいますし、田臥選手もいる。ここでしか学べないものがあると思いました。試合に出る出ないも大事だとは思いますけど、それ以外のところで学べる部分が数多くある。それを優先したかった、という感じです。
-実際にどうですか
高島 今までテレビや動画で見ていた選手が目の前にいて、ファン目線が入っちゃうのもありますし、その選手たちと一緒に練習できて、1つ1つのプレーをみることは勉強になります。本当に良い経験になっていると思います。
-プレーだけではなく、試合に至るまでの準備とかも勉強になる
高島 田臥さんのストレッチは本当に長いですし、ほかの選手も練習前のワークアウトをすごく熱心にやられている。プレー以外でも学べるところがあると思います。
-比江島選手や田臥選手とはよく話をしている
高島 田臥さんはよくアドバイスをくださいますし、比江島さんとは最近一緒に試合に出ることが多いので、積極的にコミュニケーションを取っています。
-田臥選手に言われて目からウロコ的なものは
高島 最初のころはシステムがわかってなくて、ディフェンスでミスをしてしまうことがあったんですけど、ベンチに帰ったときに「全然いいから、切り替えてやれ」って言ってくださいました。オフェンスの部分でも、そこでミスをしてしまったらここはこうだろうとか、こうした方がいいよと言ってくださいます。
-気づいたらすぐに指摘してくれる
高島 ベンチとかで。プレー中もそうです。
-1つ1つの言葉に重みがある
高島 これを絶対に生かさないといけないなって思います。
-ここまでのバスケ人生を振り返って、思い描いた通りに来ているか
高島 いえ、こうなるとは想像していなかった。想像のはるか上をいっているという感じです。ブレックスに来て、試合に出ることができるとも思っていなかったので。
-いやいや、戦力になっています
高島 (想像の)はるか上を行っています。
-思い描く理想の選手像は
高島 一番は、常にチームに必要とされる選手でありたい。得点など数字で表れる部分だけではなく、数字で表れない部分でも貢献できるような選手になりたいと思っています。
-具体的にイメージしている選手はいますか
高島 あまりないです。自分で言うのもなんですけど、自分が犠牲になることは全然いいなあと思っていて。
-いつからそういう考え方に
高島 大学に入って最初のころは、得点を取ったらやっぱりかっこいいと思っていましたし、有名にもなれると思っていました。3年生、特に4年生のシーズンですね、自分が一番上になって下の学年の子も試合に出るようになって、その学年の子たちに思いっきりやらせたいなと思って。もちろん自我を出すのもいいですけど、それを消して、その子たちが生きるようにすることによってチームはもっとよくなる、と感じられました。それが一番大きかったです。
-座右の銘はありますか
高島 座右の銘ではないですけど、常に初心に戻るというか、原点に返るというのは意識しています。今、試合に出させてもらって、自分でいうのもなんですけど、貢献できていることもあると思っていますが、てんぐになるのは簡単だとも思う。そういうときこそ、もう1回原点に戻って地道に練習することで、また自分も報われると思います。
-誰かに言われたのですか
高島 自分で考えてやっています。常にがんばれる選手でありたい。(終わり)
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