<柔道:世界選手権>◇7日◇カタール・ドーハ◇男子60キロ級
21年東京オリンピック(五輪)金メダリストで、大会2連覇を目指していた高藤直寿(29=パーク24)が準決勝で敗れた。3位決定戦でも敗れ、まさかのメダルなしとなる5位に終わった。
準決勝では21年ブダペスト大会3位のフランシスコ・ガルリゴス(スペイン)相手に、ゴールデンスコア(GS)の延長戦の末、一本負け。序盤に技ありを奪ったものの中盤に追いつかれ、突入した延長戦で波乱が起きた。左腕を極められたような体勢からの大腰で1回転。頭からも落ちる危険な技を食らったが、反則かどうか微妙なところとなり、審判は相手の一本勝ちを告げた。
優勝回数で、山下泰裕(全柔連会長)らの4度を超える日本男子単独最多5度目の頂点を狙っていた中、まさかの届かず。3位決定戦でもリ・ハリム(韓国)に屈した。
これまで、特に外国人選手に強かっただけに衝撃の敗戦となった。19年11月のグランドスラム大阪から続いていた国際大会の連勝記録も、準々決勝までの「25」で止まった。
「家族に勝つ姿を見せられなかったことが悔しい。勝ち負けは柔道なので(付きもの)。経験としてプラスにとらえたい」
約2カ月前からの厳しい減量を乗り越え、この日は初戦の2回戦から順当に勝ち上がった。準々決勝ではカザフスタン選手を大外刈りの仕掛けから豪快に投げ回すなど好調に見えたが、落とし穴が待っていた。
全柔連が強化システムを改定し、早ければ来月にも24年パリ五輪の代表を内定できることになった。持ち前の高い分析力で、自階級の各種大会も時差関係なくチェック。自身と他国勢の力関係を見極めた上で「決めにいく」と“最速宣言”していたが、銅メダル試合でも敗れて5位に沈んだ。
王者は研究されていた。「大舞台になると、伸び幅がある選手の方が怖い。事故が起きないようにしないと」。そう大会前に警戒していたが、伏兵や若手の突き上げは想像以上だった。
「2回も負けちゃってるんで大きいことは言えないんですけど、ちょっと休んで、ゆっくり考えて、パリを目指したい」
2連覇が懸かる来夏の五輪へ、想定外の足踏み。代表争いでリードしている立場は変わらないが、プラン変更も余儀なくされ、再び実績を積み重ねていく必要性が出てきた。【木下淳】