【柔道】阿部詩2年連続4度目の世界女王!兄一二三と同日V!パリ五輪代表“最速内定”決定的

<柔道:世界選手権>◇8日◇第2日◇カタール・ドーハ◇女子52キロ級

強い。21年東京オリンピック(五輪)金メダリストの阿部詩(22=パーク24)が、圧倒的な柔道で2連覇(4度目)を達成した。

決勝でケルディヨロワ(ウズベキスタン)を寝技で仕留めた。5試合オール一本勝ちの頂点に、抑え込んで20秒(一本)のドラの音を聞いた瞬間、思わず手をたたき、笑みをこぼした。

この後、男子66キロ級を制した兄の一二三(25=パーク24)とともに2年連続、東京五輪も合わせれば世界大会で4度目の兄弟同日Vを成し遂げた。

詩も、全く危なげない勝ち上がりだった。準々決勝でブシャール(フランス)に大外刈りで一本勝ち。東京五輪の決勝で苦しめられた銀メダリストを振り切ると、準決勝もクラスニチ(コソボ)を背負い投げからの寝技で合わせ一本で下した。金メダルに輝いた東京五輪の48キロ級から階級を上げてきた難敵を退け、難なくファイナルへ進出していた。

全日本柔道連盟が3月に強化システムを改定し、最速で来月にもパリ五輪代表の座が内定することに。改定翌日、日体大の卒業式を迎えた阿部は「パリまでの準備期間を得られるので、最短で決めにいきたい」と意気込んでいた。

その自覚通り、男女の全14階級で最も近い存在だった。東京五輪の後、両肩の手術を受け「怖さがなくなった」。21年の夏と現在を比べると「120%」という進化の度合いをそのまま証明するような寄せ付けない強さで、もはや定位置の頂点に上り詰めた。これで五輪1回、世界選手権4回の全5大会で無敗の24勝目を挙げた。

昨年10月の世界選手権で3度目の優勝を遂げ、同12月のグランドスラム(GS)東京大会も制覇。当時、この世界選手権代表に阿部1人だけが内定を受けていたほど突き抜けていた。

すなわち、ここで2連覇すれば、最速のパリ行き切符確保が決定的となっていた舞台。まるで重圧の2文字などないかのように、女王の座を守った。

「(決勝は)自分が思っていた展開とは違って戸惑った部分もあったんですけど、最後は寝技で。(オール一本勝ちも)私の戦いはまだまだこれから。パリで2連覇へ大きく精進していけたら。パリまで上げていかないといけない中、しっかり勝ち切れて良かった」

2番手以下との力関係を考えれば、次の五輪代表も彼女以外に考えられない。【木下淳】