B1仙台89ERSを振り返る-。今季、6季ぶりにB1復帰を果たした仙台は19勝41敗でシーズン終了。東地区最下位に終わったが、同地区首位・千葉Jや中地区首位・川崎から1勝を挙げるなど、強豪を相手に戦い抜いた。日刊スポーツ東北版は、チームマネジャー守屋雄平氏(30)にインタビュー。ホーム、アウェーを問わず、全60試合に帯同し、チームを支え続けた“縁の下の力持ち”に、今季を振り返ってもらった。【取材・構成=濱本神威】
◇ ◇ ◇
チームマネジャーの仕事は、チーム全体のサポートが主だ。シーズン60試合中、30試合がアウェー戦。ホームではほぼ同じルーティンで仕事をこなすが、アウェーとなれば話は別。食事や練習の段取りは、マネジャーが担い、試合中はスコアとファウルの確認を行う。「間違いがあってはいけないので、何回も確認しています。試合中に自分ができることはそれしかない」。また、チーム広報が帯同していない場合は、メディア対応を行うことも。昨年10月1、2日の開幕節京都戦では、帰りの時間が迫る中、スムーズに取材の段取りを組んだ。「(僕の仕事は)選手やチームスタッフのストレスをなくすような仕事だと思っています」。選手たちが気持ち良くプレーできるように常にアンテナを張っている。
19~21年までB3チームのマネジャーを務め、昨季から仙台の一員となった。「チームが変わればやり方もすごく変わる。それにB2自体が初めてだったので、B2に値する仕事をしないといけない。『選手があれだけ頑張ってる分、僕もやらないと』と…」と気負い、初のB2での仕事に思い悩むこともあった。だが、チームは38勝15敗の東地区2位。プレーオフを勝ち進み、見事B1昇格を決めた。「チームが勝ってくれると僕らがやってきたことが認められる気がします。『やって良かったな』って」
6季ぶりにB1に復帰した今季は「19勝」にとどまった。接戦を落とすこともあり、勝利数は伸びず。「負けたら、選手の気持ちも浮き沈みする。みんな勝ちたいって思っているし、それでも勝てないとなると…。できるだけ選手たちのストレスをなくしたいと思っていましたが、それだけではB1は勝てなかった。僕らも『もっと何かできることがあるのでは』と…」。アウェーではチームスタッフ数の差を感じることもあった。「ほかのチームは選手よりもスタッフが多かったりする。僕らはチームスタッフが8人」。アウェー戦に帯同できないけが人がいれば、スタッフが1人仙台に残り、7人で臨むときも…。荷物の運搬などスタッフだけで手が回らない時には、選手の助けも借りた。「僕だけでは荷物が運べない時に、選手に『ごめん、持ってって』とお願いしたときも、嫌な顔一つせずに持っていってくれる。スタッフのことを理解してくれている人ばかりで、試合で疲れていても手伝ってくれて、そういう姿に助けられました」。7日、群馬との最終戦を勝利で終え、藤田弘輝ヘッドコーチ(HC=37)が「本当に良いチーム。僕らは良い終わり方をするべきチームだった」としみじみと語ったように、B1復帰1年目で「19勝」を積み上げた裏には、スタッフが少なくても、連敗が続いていても、お互いに手を差し伸べ合う「チーム仙台89ERS」の強さがあった。
最終戦後にはファン感謝祭が行われた。選手、チームスタッフ総出で行われた大運動会では、藤田HC率いる「チームセオ」で躍動。「目立つつもりはなかったけど目立っちゃいましたね…(笑い)」。ネイサン・ブース(29)に抱えられ、青木保憲(27)に組み伏せられ、ブースターの注目の的に。“縁の下の力持ち”はシーズン最後のMVPに輝いた。「選手やコーチに負けないように頑張ろうと思える今季でした。すごく楽しかったです」
来季は藤田HCが続投。選手の去就も続々と発表されている。縁の下の力持ちが支える“本当に良いチーム、仙台89ERS”のB12年目から目が離せない。
◆守屋雄平(もりや・ゆうへい)1992年(平4)11月24日生まれ。大阪府出身。19~20年1月まで東京サンレーヴス(現B3・しながわシティバスケットボールクラブ)チームマネジャー。20年2月から21年まで東京八王子ビートレインズチームマネジャー。昨季より仙台のチームマネジャーを務める。