【テニス】復帰V錦織圭、完全復活へ「これ以上を望めない結果」要所で勝負強さ「ツアー戦える」

【イラスト】テニス男子世界ツアー構成図

<テニス:米下部ツアー大会カリビアン・オープン>◇18日(日本時間19日)◇男子シングルス決勝◇米自治領プエルトリコ・パルマスデルマール

男子テニスで元世界ランキング4位の錦織圭(33=ユニクロ)が、約1年8カ月ぶりの復帰大会で優勝を果たした。19歳の新鋭マイケル・ゼン(米国)と初対戦し、6-2、7-5のストレートで退けた。1週間で5試合、計約8時間30分を戦い抜き、復帰大会のフィナーレを最高の形で飾った。昨年10月から外れていた世界ランクは、19日付で492位に復帰。下部ツアー大会での優勝を足がかりに、8月28日開幕の全米オープンで完全復活を目指す。

錦織は天に向かって両拳を突き上げた。「想像以上。本当にこれ以上を望めないぐらいの結果が出た」。昨年1月の股関節手術などの長期離脱から、約1年8カ月ぶりの復帰戦。13日の初戦から全5試合、合計約8時間30分を戦い抜き、ケガの不安を払拭した。「自分でも信じられないくらい」。19年ブリスベン大会以来となる勝利の美酒に酔いしれた。

コートにあったのは、テニスファンが待ち焦がれた日本のエースの姿だった。予選を勝ち上がって勢いに乗る19歳の新鋭に、立ち上がりから付け入る隙を与えない。1セット目の第1ゲームからブレークに成功して主導権を握ると、2セット目も要所で勝負強さを発揮。追いつかれても焦らず、2ゲーム連取で決着をつけた。「自分のテニスを思い出した」。全盛期をほうふつとさせる軽やかなフットワークで、復活を印象付けた。

昨年10月17日付から外れていた世界ランクには、492位で復帰した。右手首のケガから5カ月ぶりに復帰を果たした18年1月は、復帰戦のチャレンジャー大会で初戦敗退。2大会目で優勝し、同年の全米オープンでベスト4の離れ業を成し遂げた。この時の勢いを上回る順調ぶりに、「(得たものは)めちゃくちゃ大きい。1試合勝つのに何大会もかかると想像していた。今日のレベルだったらツアーでも戦える」と言った。

次の目標は、4大大会最後の全米オープン(8月28日開幕)出場に照準を定めた。「そこに向けて、もっともっとレベルを上げていきたい」。14年に準優勝した大舞台に、自身の躍動する姿を見据える。1度は引退も考えた33歳に、もう迷いはない。完全復活に向け、錦織がこの上のないスタートを切った。

◆錦織の今後 7月3日開幕のクランブルック・テニス・クラシック(米国)など下部大会2試合をこなし、同24日からのアトランタ・オープンでATPツアー復帰。その後は全米オープン出場を目指す。予選を経ないで4大大会の本戦に出場するには一定の世界ランクが必要で、通常は100位前後。今大会で75ポイントを獲得したものの、同ランクは492位。ただ、ワイルドカード(WC=主催者推薦枠)や公傷制度を活用でき、WCはツアー本戦計6回分を保有。離脱前の平均順位で定められる公傷ランキングは48位で、復帰から1年以内に12大会までエントリーでき、4大大会は1回のみ可能。

<錦織の故障との闘い>

◆右手首 17年8月に全米前哨戦の練習中に右手首尺側手根伸筋腱(けん)を脱臼。

◆右肘 19年10月に右肘骨棘(こっきょく)を取り除く手術を受ける。

◆コロナ 20年8月に新型コロナウイルスに感染し、復帰予定の全米出場を断念。同9月にジェネラリオープン(オーストリア)で約1年ぶりに実戦復帰。

◆右肩 20年9月の全仏オープン2回戦で右肩を負傷。21年2月のATPカップで126日ぶりに公式戦復帰。

◆股関節 21年9月に左股関節唇損傷の痛みが再発し、同10月を最後に実戦から離れる。22年1月、患部を手術。

◆右足首 22年9月に右足首を捻挫。長期離脱となり、世界ランキングは10月にランク外に。最高位は15年2月の4位。23年2月中旬、5月末と下部ツアーにエントリーも復帰を延期。