【ラグビー】今のサモアの実力は?7・22&W杯で日本代表と対戦「今からはっきりと分かる」

日本代表戦に向けて、千葉・船橋市で汗を流すサモア代表(撮影・松本航)

今のサモアの実力は…? 

ラグビーのリポビタンDチャレンジカップ2023(22日、札幌ドーム)で日本代表(世界ランク10位)と対戦するサモア(同12位)が18日、千葉・船橋市内で練習を公開した。

両国は9月29日のW杯フランス大会1次リーグでも対戦。今回は前哨戦となる。

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「サモアの全員が、あの試合を忘れていない。私も出ていたが、まだ悔しい」

午前練習の終わり、大粒の汗を流して取材に応じたプロップのポール・アロエミール主将(スタッド・フランセ)が力を込めた。

直近の日本との対戦は、19年W杯日本大会の1次リーグ。19-38で敗れた一戦(10月5日、豊田スタジアム)に、アロエミールも途中出場していた。

日本の印象は色濃く残る。

世界最高峰「スーパーラグビー」のレベルズ(オーストラリア)時代から親交のあるプロップ稲垣啓太、フッカー堀江翔太(ともに埼玉パナソニックワイルドナイツ)の名を挙げ「プレーしている時は相手だが、試合が終わると友達」とほほえんだ。

そんなアロエミールが、サモアの4年間の変化を語った。

「これまでは大体(試合に登録される)23人の選手が決まっていた。そこから選べる選手の土台が広がった。とてもいいことだと思う」

サモアにとって、大きなルールの導入があった。

過去に他国で代表として出場した選手が、最後の試合から36カ月以上が経過した場合、出生などの条件を満たした上で他国の代表になれる新ルールが適用された。

一例が今回の日本遠征に参加している19年W杯オーストラリア代表SOクリスチャン・リアリーファノ(35=モアナ・パシフィカ)。

オーストラリア代表26キャップを誇り、かつてNTTコミュニケーションズ(現浦安D-Rocks)など、日本でもプレーした。

リアリーファノは祖父母がサモア人で、自身はニュージーランド生まれ。そこからオーストラリアに移住した。サモアの国を背負うことを決めた理由を「恩返しをしたい」と明かし、新天地での感想を口にした。

「ティア1(世界の強豪10チーム)は経済的に余裕があるが、ティア2は不安定。スポンサーがあったり、なかったり…という面もある。仮にかばんがなく、普通の紙袋を使う環境でも僕は関係ない。みんなと普通に過ごすだけです」

選手も、スタッフもゼロからの出発となった。

今回は7月3日に集合。リアリーファノだけでなく、ニュージーランド代表経験者などが顔を合わせた。

サモアは大きな2つの島を中心に成り立つ、南太平洋の国。従来はウポル島にある首都アピアに集合し、遠征に出発することが多かったという。

だが、今回はもう1つのサバイイ島でも合宿を実施。同地でのファンの声援も力とし、かつてクボタ(現クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)などに在籍したセイララ・マプスア・ヘッドコーチ(HC、43)は「サモアの文化を最優先とし、それぞれの選手がプレーできたらいい。“兄弟”としてやっていきたい」とチームづくりを進めている。

日本遠征メンバー28人のうち11人が所属する、モアナ・パシフィカは「スーパーラグビー」に参戦中。ニュージーランドやオーストラリアなどが拠点の強豪とハイレベルな戦いをこなし、経験値を上げている。

笑顔のマスプアHCは、正直な思いを言葉にした。

「サモアとして日本戦は(23年)初めての試合になる。今から(チーム力が)はっきりと分かってくる。自分たちの体形の強み、パワーを生かして勝っていきたい。4年前はチームにおらず、比較はできないが、前には進んでいると思う」

その実力は、いかに-。【松本航】