<バレーボール・ネーションズリーグ(VNL):日本3-0スロベニア>◇21日◇ファイナルラウンド(R)◇準々決勝◇ポーランド・グダニスク
予選ラウンド2位通過の日本が、前身のワールドリーグを含めて初となるベスト4進出を決めた。9月開幕のパリ五輪予選でも対戦するスロベニアを、3-0のストレートで退けた。石川祐希主将(27)が、ブロック4本を含む両チームトップの27得点。ここまで232得点でベストスコアラーをひた走るエースの躍動で、世界ランキングは5位に浮上した。準決勝は22日(日本時間23日)、同1位のポーランドと対戦する。
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石川の1点への執念が、8強の壁を乗り越えさせた。序盤から一進一退となった第1セット。最終盤に、23-24と窮地に立たされたが、選手たちに焦りはなかった。「技術より心や頭。試合前から1点の勝負だと言い聞かせてきた」。主将の声掛けが、ピンチの場面で最大限の集中力を引き出した。
自身のブロックアウトで同点に追いつくと、指の負傷から3試合ぶりにスタメン復帰した高橋藍がスパイクを決めて勝ち越しに成功。相手のスパイクがアウトとなり、26-24でセットカウントを先取した。この1点で手にした主導権は、最後まで渡さなかった。ブラン監督が「五輪レースに向けて非常に重要な試合」と位置付けた一戦で、ストレートの完勝劇だった。
絶対的エースが中心にいる。石川は総得点の3分の1以上となる27得点。スパイクはチーム全体の約35%を担い、その決定率は驚異の約60%だった。今大会はここまで232得点でベストスコアラーをひた走る。「役割は点を取ること。それが果たせた」。イタリア1部リーグで8季を過ごし、心身共に円熟味を増した。昨季はミラノをクラブ初のベスト4に押し上げた“勝利請負人”は「目標はチームを勝たせる選手」といつでもぶれない。
前身のワールドリーグを含めて初となるネーションズリーグ(VNL)4強入りは、番狂わせなどではない。快進撃に注目が集まるが、「一気に強くなったわけではない」。手応えは一昨年の東京五輪前から感じていた。その五輪は準々決勝で敗れ、昨年の世界選手権は16強で五輪王者フランスにフルセットのジュースで惜敗。主将3年目の今季は、コミュニケーションの部分や日本が不得手だったブロックディフェンスが強化された。
準決勝の相手は世界1位のポーランド。9日の予選Rではストレートで敗れた相手だが、全く意に介さない。「自分たちのバレーができればどこが相手でもいける」と、常に口にしてきた。善戦ではない。勝利の2文字を見据えている。
VNLの表彰台を経て、来年のパリで1972年ミュンヘン大会以来52年ぶりとなる五輪のメダル獲得も視界に捉えている。「五輪予選で勝つための準備をしてきた。それを達成しなければならない」。1点、そして1勝を着々と積み重ねていく。【勝部晃多】
◆石川祐希(いしかわ・ゆうき)1995年(平7)12月11日、愛知県岡崎市生まれ。小4で競技を始め、愛知・星城高では2年連続3冠(インターハイ&国体&全日本高校選手権=春高)を達成。14年に中大に進学し、在学中からイタリアでプレー。現在はミラノ所属。妹真佑も女子代表の中心選手。191センチ、84キロ。