卓球女子のオリンピック(五輪)2大会連続メダリスト福原愛さん(34)の元夫、台湾の江宏傑(こう・こうけつ)氏(34)が27日、都内の日本外国特派員協会で緊急会見を開いた。
「福原さんによる子供の連れ去りに関して訴える」と題し、大渕愛子弁護士(45)と台湾の代理人とともに経緯を説明。「1週間前の7月20日、福原さんから江さんへ長男の引き渡しを命ずる審判が出ました。しかしながら、現在に至るまで応じられていない」と公表した。
ポイントになると見られていた「ハーグ条約」についても言及があった。日本人と外国人の間の国際結婚・離婚に伴う、海を越えた子供の連れ去り事案などを解決する枠組みとして「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」として締結されたものだ。
日本は長く加盟していなかったが、締結国として2014年4月1日に発効された。ハーグ条約に加盟している国同士であれば、裁判所に申し立てれば迅速な判断がなされて返還へと進むが、江さんが居住する台湾は加盟していない。
大渕弁護士は「福原愛さんが日本に子供を留め置いた期間、約1年ありましたが、その期間に子供を連れて複数回、シンガポールを訪れていたという情報がありました。任意の引き渡しや強制執行を待っていた場合、出国されてしまう可能性も否定できません。大変心配しています」と懸念も示した。
加えて「もし出国された場合、例えば先ほど出てきたシンガポールであればハーグ条約の締結国です。そうすると条約に基づいて、まずは日本に戻してください、という返還命令の申し立てをして、再度、引き渡しを求める形になります。ただ、そのような手続きを取れば時間がかかって、いつまでも江さんが息子さんに会えない。そこを非常に心配しています、そういった行為をせず、任意に直ちに引き渡してほしい」と訴えた。
台湾とハーグ条約に関しては、同席弁護士が「加盟するかどうかは、極めて政治的な問題になるので、回答を差し控えさせてください」とした。
福原さんは12年ロンドン五輪の女子団体で日本卓球史上初となる銀メダルを獲得。16年リオデジャネイロ五輪の団体でも銅メダルを獲得した。同年9月1日に江氏との結婚を電撃発表。17年10月に長女を出産。18年10月に引退し、翌19年4月に第2子の長男を出産していた。
一転して21年7月に離婚した後は、福原さんが長男を連れて帰国していたといい、江氏は「(福原さんが)長男を日本に連れ去った後、連絡が取れなくなった」とSNSで訴えていた。