卓球女子のオリンピック(五輪)2大会連続メダリスト福原愛さん(34)の元夫で台湾の江宏傑(こう・こうけつ)氏(34)が27日、都内で記者会見を開いた。
離婚翌年の2022年7月、福原さんが台湾から日本に連れていった後、連絡が取れずにいる長男について、江さん側に引き渡すように東京家裁の決定が出たことを説明。福原さんに早期の対応を求め「平和的な形で子どもを帰して欲しい」と訴えた。
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黒のスーツに身を固めた江氏はニコリとも笑わなかった。都内の日本外国特派員協会での緊急会見。冒頭、手に持った原稿を読み上げて自分の主張を吐露した。「早く息子に会いたいということを申し上げたい」。中国語で早口で言い切った。
同席した台湾での代理人、ジョ・ジョウハク弁護士によると、江氏と福原さんは21年7月に離婚。17年に長女、19年に長男が生まれた。子ども2人に関して共同親権を持つことで同意していたという。普段、子どもは江氏と生活をしていた。
22年7月、台湾に来た福原さんに長男と会わせると、そのまま、夏休み期間の面会交流という約束で長男を日本に連れていった。ところが、1週間後、連絡が取れなくなり、現在まで長男は江氏のもとに帰ってきていないという。ジョ弁護士は「江さんと何度も話し合い、何度も江さんの涙を見た」と振り返った。
福原さんは、親権者を自身とするよう東京家裁に審判を申し立てた。江氏も引き渡しを東京家裁に申し立てたところ、今月20日、江氏側に引き渡しを命じる決定が出た。さらに仮の引き渡しについての保全命令も出された。江氏側は翌21日に強制執行の申し立てをしたという。
福原さんが、日本に長男を留め置いている約1年間で、長男を連れて複数回シンガポールを訪れていたという情報に触れたとして、同席した大渕愛子弁護士は「任意の引き渡しや、強制執行の結果を待っていたら、出国する可能性も否定できない。大変心配している」と語った。
保全命令が出されたことについて大渕弁護士は「非常に珍しい。よほどのことがなければ認めてもらえないこと」と念押し。さらに「(福原さんが)引き渡しをしていただけるのであれば会見をする必要もなかった」と述べ「引き渡しが実現されない場合、未成年者誘拐罪での刑事告訴も選択肢として考えられる」と話した。
福原さんの代理人弁護士は「日本国内の司法の手続きは未確定であり、さらなる審理を期している」とコメントしている。【寺沢卓】
◆江宏傑(こう・こうけつ)1989年2月22日生まれ、台湾・新竹市出身。中国文化大卒、合作銀行卓球隊所属。台湾代表で14年世界選手権銅メダル。リオデジャネイロ五輪は団体戦に出場し、1回戦でドイツに1-3で敗れた。現役時代の世界ランキングは最高47位。180センチ。
◆福原愛(ふくはら・あい)1988年(昭63)11月1日、仙台市生まれ。初出場の04年アテネ五輪で、シングルス16強、08年北京五輪シングルス16強、団体4位。12年ロンドン五輪シングルス8強、団体銀メダル。16年リオ五輪シングルス4強、団体銅メダル。155センチ。