日本大学(日大)アメリカンフットボール部の寮内自室で違法薬物を所持したとして、警視庁に覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反(ともに所持)の疑いで3年生部員の北畠成文容疑者(21)が逮捕、送検された事件に関する大学側の会見が8日、東京・千代田区の日大会館(本部)で行われた。
OGの小説家で、昨年7月に就任した林真理子理事長(69)と酒井健夫学長、競技スポーツ担当の沢田康広副学長が登壇した。
林理事長は今月2日の「違法薬物は一切、見つかっていない」発言について謝罪した後、当時の心境について「ギリギリまで学生の潔白を信じたいという気持ちでいっぱい。祈るような気持ちで、何とか茶葉のようなものが大麻でないことを願っていた。ただ、大麻が見つかったか聞かれたので、一切ございませんと。きつく否定しましたが、全体のように思われた。テレビを見ていて、私もビックリした。そこは明確に申し上げたい」と釈明した。
情報が上がってこない「お飾り、との報道が残念」との発言には「ご理解いただきたいのは、学長と理事長は役割分担がございまして、学生のことは学長へ。精査して、重要なことになりますと理事長にも上がってきます。適切な時に適切な情報を上げてもらっていると認識しております。情報が上がっていないとの報道のようなことは、ございません」と否定した。
昨年の情報提供に端を発した事実、講習会の実施については「沢田副学長が対応した。情報が上がってこない、のではなく、講習会などで処理していたことを後ほど聞いた。その時点では聞いていないが、対応は適切だったと思っている」と「対応は適切」の主張を連発した。
事件を巡っては大学側が先月6日、北畠容疑者の部屋のベッドに備え付けられた施錠可能な収納ボックスから植物片と錠剤を発見。12日後の18日に日大から相談を受けた警視庁が押収して鑑定した結果、植物片は大麻で、錠剤には覚醒剤成分が少量ながら含まれていたことが判明。8月3日に約5時間かけて寮を家宅捜索していた。
その中で林理事長がどこまで把握していたか、も焦点になっていた。
◆林真理子(はやし・まりこ)1954年(昭29)4月1日、山梨県生まれ。日大芸術学部卒業。コピーライターとして活動した後、1982年のエッセー「ルンルンを買っておうちに帰ろう」がベストセラーに。86年の「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞を受賞。95年「白蓮れんれん」で第8回柴田錬三郎賞、98年「みんなの秘密」で第32回吉川英治文学賞も受賞。20年には菊池寛賞を受けた。83年から「週刊文春」でタイトルを替えながら連載しているエッセーは20年に「同一雑誌におけるエッセーの最多掲載回数」として、ギネス世界記録に認定されている。