<スポーツクライミング:世界選手権>◇11日(日本時間12日)◇スイス・ベルン◇女子複合
森秋彩(19=茨城県連盟)が複合決勝で合計140・6点で銅メダルを獲得し、来年のパリ五輪代表に決まった。3位以内に与えられる出場権を得た。
前半のボルダーでは4課題のうち1課題の完登に終わり、44・5点の6位で折り返したが、単独種目で日本女子初の金メダルを獲得した後半のリードで強さを発揮。登る高さを競う種目で、最終ホールド(突起物)の1手前まで進めなければ厳しい状況で、目標をクリアして1位となり、メダルを確定させた。
「ハードなラウンドで、完登したいと思って、そこは悔しいけど、表彰台に乗れたのはうれしいです」「(五輪は)まだちょっと実感がわいてないですけど、東京の時に(野口)啓代さんの登りを見て、すごくかっこ良かった。同じ舞台が決定してうれしいです。いまより強くなりたいです」。女子複合で東京五輪の銅メダリストとなった同郷の野口啓代さんの名前を挙げ、笑顔で活躍を誓った。
その東京五輪では、1度は国内の選考基準を満たして代表に内定したが、国際連盟の選考方法との食い違いが生じ、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定の結果、代表落ちとなった。「五輪への道が閉ざされてショックだったけど、いつまでも引きずってもパフォーマンスが下がるだけ。落とされて、『次は絶対』の気持ちが強くなった。この悔しさは忘れない」。そう話したこともあった。
競技を始めて12年、出会いは父正夫さんに連れられて行ったショッピングモール内のジムだった。もともと体を動かすのは好きで、幼稚園の時はフットサルをやっていたが「登った時の達成感が気持ちよかった」。クライミングのとりこになり、1年後にはイタリアでの国際大会にも出場した。天才少女として注目を集めてきた。
パリ五輪のスポーツクライミングはボルダー、リードによる複合と、スピードの男女計4種目が実施される。「いまちょっと登り終わったばっかりで信じられないですけど、五輪は4年に1度しかなく貴重な体験。それまでに強くなって仕上げて、体の強さを付けていきたいと思います」。ついにその手でつかんだ夢舞台。20歳で迎える来夏、日本勢初の頂点に挑む。
◆森秋彩(もり・あい)2003年(平15)9月17日、茨城県生まれ。小学生時代から国内大会で活躍し、16年に12歳で出場した「リード・ジャパンカップ」で優勝。19年世界選手権リードでは日本勢最年少メダルとなるの15歳で銅。155センチ。