柔道男子100キロ超級で来夏のパリ五輪代表に内定した斉藤立(たつる、21=国士舘大4年)が7日、都内ホテルで行われた23年度「上月スポーツ選手支援事業」認定式と国際大会成績優秀者をたたえる「上月スポーツ賞」表彰式に出席し、1年を切ったパリ五輪への思いを語った。
内定から2週間。その思いに変化が表れた。「電話が来た日は『オリンピックの舞台に立てるんや』っていう気持ちが強かったんすけど、次の日からは出るだけじゃ意味がないな、と。オリンピックの表彰台で一番高いところに立たないといけない。だから、『ここがスタートラインなんだ』って気持ちが切り替わった」。日に日に大きくなる使命感を明かした。
この日は、他競技の選手とも交流…のはずだったが「すごい人見知りなんで、気まずくて笑けるぐらいきつかった」と、コミュニケーションに失敗した様子。「隣に柔道の人がいたのでそこが救いだった」と、畳の上での勢いは影をひそめた。
さらに「チームジャパン」を背負う気持ちについて問われると、「他の競技? あ、柔道ですよね。すみません」とたじたじ。旗手はどうかとの問い掛けには「そんなことはない。恥ずかしいだけなんで」と大量の汗を拭った。
それでも、日の丸を背負う気持ちは人一倍強い。昨年の東京五輪中はコロナに罹患(りかん)。隔離されたホテルのテレビで仲間をたちの姿を見届け「『俺、何してんねやろう』と思って、めちゃくちゃうつ状態やった」と振り返る。「東京で日本がフランスに負けた。ものすごく悔しいことだと思うし、テレビで見ることしかできなかったので、今度は自分がパリに行って、逆にフランスに勝ってリベンジする。個人としても団体としても金メダルを持ち帰りたいなって」と力を込めた。
五輪2連覇の父で、15年に54歳で亡くなった仁さんとの日本柔道初となる親子2代での出場、そして頂点へ。「こういう立場に立たせてもらって改めて自分の父の偉大さがわかる。父の名前に恥じないような柔道を見せていく」と悲願達成を誓っていた。