【バレー】日本女子、パリ五輪切符は来年に持ち越し…世界4位ブラジルにフルセット敗戦、関ら涙

日本対ブラジル パリ五輪出場を決め喜ぶブラジルの選手らを見つめる古賀(右端)ら(撮影・足立雅史)

<パリ五輪予選/女子W杯バレー:日本2-3ブラジル>24日◇プールB◇東京・代々木第1体育館

世界ランキング8位の日本が、歴史的なオリンピック(五輪)6大会連続出場を逃した。来夏のパリ五輪予選を兼ねるワールドカップ(W杯)の最終第7戦で、世界4位のブラジルにフルセット(21-25、25-22、25-27、25-15、10-15)の末、惜敗。通算5勝2敗で、1992年バルセロナ五輪以降は男女とも遠ざかっている「五輪前年の出場権獲得」を32年ぶりに成し遂げることはできなかった。

第1セットは先取された。五輪の金メダル2個を持つ強国に序盤からリードされ、ここまで6戦でチーム最多タイ82得点のエースで主将、アウトサイドヒッター(OH)古賀紗理那(27)も抑えられた。

その中で6-6、10-10と追いつく意地を総力戦で見せると、12-12の場面でついに古賀が最初のスパイクを沈める。13-12。さらに古賀がブロックを決めて2点をリードした。

しかし、一時の勝ち越しを逃げ切りにはさせてくれない。一進一退の攻防の末、終盤21-23から一気にポイントを奪われてブラジルに21-25。1セット目を落とした

日本の先発メンバーは古賀、OH井上愛里沙、OH林琴奈に、セッター関菜々巳、ミドルブロッカー(MB)渡辺彩、MB山田二千華、リベロ福留慧美。大会途中から先発に起用され、仲間を救ってきた32歳の渡辺がアタック、ブロック、サービスエースで得点を記録した。

第2セットは奪い返した。一転、7連続ポイントの快調な滑り出し。林がスパイクを決め、山田がサーブで崩し、渡辺のブロックでスコアを重ねた。最初のバックアタックも決まり、さあ波に乗る…かと思いきや、一筋縄ではいかない。最大7点あったリードが20歳ジュリアらの躍動で詰め寄られ、終盤に22-22の同点に追いつかれた。

流れを引き戻したのは途中出場の石川真佑だった。ここまで試合前半はリリーフサーバーとして起用されてきたが、早くもOHとしてコートへ。登場の直後こそはね返されたが、スパイクもレシーブも当たった。24-22とし、最後は山田のサーブが絶妙なコースに落ちて25-22で取り返した。

5勝1敗同士、勝った方がパリ。分かりやすい残り1枠を争う最終決戦で、聖地に難敵を迎え撃った。ブラジルは、百戦錬磨のエースで主将の「ガビ」ことガブリエラ・ギマラエスを(29)筆頭に、32歳のダシウバ、35歳ダロイト、36歳タイーザら歴戦の名選手たちが立ちはだかってきた。

平均年齢25歳の日本に対し、スピードなどは全盛期と比べれば劣るかもしれないが、通算は日本の45勝92敗。世代交代の過渡期とはいえ、近年も接戦の末に勝てないことが多く、昨年の世界選手権もセットカウント2-0から逆転負けしていた。そこから今度は先行されたセットを奪取し、成長を示した。

第3セットは、激しい接戦の末に献上した。8-8から古賀がバックアタックを決めても、なかなか2点差以上には突き放せず、18-18と追いつかれた。27秒にも及んだラリーもあった。途中から攻撃を操ったセッター松井もリズムを変えた。

「大」が付く熱戦。19-19、20-20、21-21…。ここから古賀のスパイクに山田の再びのサービスエースで23-21。23-22から林、セットポイントの24-22から2連続失点で同点。行方が分からない。沸騰する場内。古賀が決め、古賀がサーブをネットに当て25-25、そして25-26、最後は「ブラジルの1ミリ」級のスパイクをライン際に決められ、このセットも逆転で落とした。

第4セットは大差でものにした。今大会、古賀に並ぶ6戦82得点の井上が攻め、リベロ福留も拾う。エース古賀を下げても層の厚さを見せた。再び戻った関のトスワークから渡辺につなげ、MB陣が爆発。10―4の場面ではブラジル得意のバックアタックを山田がブロックした。石川がサーブで相手を揺さぶり、井上が応える。21―13と突き放すと和田由紀子がリリーフで相手レシーブをはじき飛ばすエースを挙げた。セットポイントも関のエース。25―15の10点差で制した。

運命の最終セット。追う展開が続いた。5-8…とされたかに見えた場面で、日本がチャレンジ。これが成功して食い下がった。石川の奮戦で10-10。しかし最終盤で5連続失点を喫し、最後の最後の最後に突き放された。セットカウント2-3で力尽きた。

司令塔の関は涙を隠せない。静寂の後、温かい拍手が送られ、古賀主将は言った。

「この大会でパリの切符を取ることが目標だったので悔しいです。成長した部分をプラスに、来年、パリ五輪切符を獲得できるように頑張ります」

悔しさをかめしめながら、気丈に来年へ切り替えた。

今大会は東京ラウンドなど世界3都市のプールに分かれ、各8チームが総当たりで対戦した。上位2チームが五輪切符をつかむ9日間で7試合の短期決戦。最終日に火の鳥NIPPONの歓喜の羽ばたきは見られなかったが、まだ6大会連続となるパリ切符は5枚ある。日本女子が進化を示し、獲得は来年へ持ち越した。

◆パリ五輪出場枠 開催国フランスを含めて12。五輪予選のW杯は世界ランキング上位24カ国が8チームずつ3組に分かれ、総当たりで対戦した。女子は中国(プールA)日本(B)ポーランド(C)で開催され、男子はブラジル(A)日本(B)中国(C)で30日に開幕する。男女とも各組上位2カ国の計6カ国ずつが出場権を獲得。残る5枠は来年のネーションズリーグ(VNL)予選ラウンド終了時(6月)の世界ランキングで決定。日本は今大会で出場権を逃したため、そのVNLに出てポイントを重ね、よりランキングを上げることが必要となる。W杯の大陸別切符獲得状況も重要な要素となってくる。

【プールB最終順位】

1位=トルコ 7勝0敗 勝点21 ※パリ五輪出場権(23日獲得)

2位=ブラジル 6勝1敗 勝点16 ※パリ五輪出場権(24日獲得)

3位=日本 5勝2敗 勝点16

4位=プエルトリコ 4勝3敗 勝点11

5位=アルゼンチン 3勝4敗 勝点8

6位=ベルギー 2勝5敗 勝点6

7位=ブルガリア 1勝6敗 勝点5

8位=ペルー 0勝7敗 勝点1