<パリ五輪予選/男子W杯バレー:日本3-0セルビア>◇プールB◇6日◇東京・代々木第1体育館
2大会連続の五輪出場を目指す男子日本代表(世界ランキング4位)が、上位2カ国に与えられる五輪切符獲得圏内の同プール2位に浮上した。セルビア(同9位)に3-0のストレート勝ちで3連勝。4勝1敗の勝ち点12で並んだスロベニアをセット率で上回った。1日に格下エジプトに敗れて崖っぷちだったチームを救ったのは、副主将の西田有志(23=パナソニック)。両軍最多16点でけん引した。今日7日はスロベニア(同7位)と対戦。他国の状況にもよるが、五輪切符獲得の可能性がある大一番へ臨む。
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ふっと息を吐いて跳び上がると、左腕をためらいなく振り抜いた。2セット連取して迎えた最終第3セット(S)。1-0の場面で、西田がこの日2本目のサービスエースを決めた。五輪予選に出場する24カ国中単独トップとなる13本目は、3戦連続ストレート勝ちへ弾みをつける一打になった。五輪切符獲得圏内の2位に浮上。それでも「そういうのはもう僕らには関係ない。勝たないと意味がない」ときっぱりと言った。
勝利のために全身全霊を賭している。第2S中盤には、ブロックの際に相手の足を踏んで転倒。「痛かった」と左足を捻挫したが、駆けつけるトレーナーを両手で制した。「ここで逃げちゃダメだと思って。こういう戦いなんで、僕はそんな思いでやっている」。最後までコートに立ち続け、チームトップの16得点をたたき出した。
今年から副主将を務める23歳は、心身ともに成長を続ける。1日に格下エジプトに敗れて窮地に立たされても「自分たちのバレーは間違っていない」と下を向くことはなかった。「自信を持ってやっていけるかというところなので、自分はもう声を出すしかない」。意識するのは「最初にいい言葉を持ってくる」こと。「失点することが悪いわけじゃない」とポジティブな姿勢を貫き、「今の良かった」「もっとできる」と、劣勢の場面でも前向きな発言でチームを鼓舞した。
銅メダルを獲得した今年のネーションズリーグ。自身は不完全燃焼に終わったが、励みになったのは仲間の存在だった。ヤクルト村上とは同じ2000年生まれで「よく連絡を取る」という仲。“令和の3冠王”もシーズン序盤は不振だったが、個人成績に関係なくチームを引っ張る姿勢に刺激を受けた。「自分の状況と重ね合うつもりはないけど、スポーツ選手には絶対うまくいかない時期はある。お互い踏ん張り時だろうなって思っていた」と、常に前を向いてきた。
この日、盟友は会場に応援に駆けつけてくれた。「『来たい』って言ってくれて。結果がどうであれ、見てもらえてすごくうれしい」と、躍動する姿で応えてみせた。
今日7日にも五輪切符獲得の可能性がある。WBC優勝に貢献したスラッガーのように、ヒーローになる準備は整った。ド迫力な一打で、パリへの道を切り開く。【勝部晃多】