28年ロサンゼルス五輪で初採用が決まったフラッグフットボール男子日本代表RB伊藤耕世(29=京都ジュベナイルズ、北大出身)が16日、吉報を喜んだ。「うれしいですね。自分がやっているスポーツが五輪の競技になって、知名度が上がっていくのはいいこと」と歓迎。5年後へ「28年を最終目標にしていた」と、日の丸を背負って立つ夢舞台を思い描く。
競技を本格的に始めたのは、社会人になってから。19年春、入社した勤務先の上司に誘われた。中学までは野球少年だったが、都立戸山高、北大とアメリカンフットボールに打ち込んでいた。北大時代は北海道学生リーグ4連覇を達成し、同リーグ史上初の3年連続最優秀選手賞に輝いた。フラッグフットボールには、アメリカンフットボールで好きだったコンタクトがなく「最初は戸惑いがあった」。続けるうちに「スピーディーさや得点がポンポン入る部分に魅力を感じた」と夢中になった。
日本代表初選出は20年1月。米国での国際大会に出場した。ポジションはRB(ランニングバック)。QB(クオーターバック)からボールを受けて走る。「純粋な直線では勝てなくても、横の動きや加速に自信がある」と俊敏性が持ち味だ。
アジア・オセアニア大陸選手権(27日開幕、マレーシア)が控えており、五輪競技に追加されたことで士気をさらに高める。「今回の大会の結果が28年につながっていく。そこへの初めの第1歩。責任感とプライドを持って取り組んでいかないといけない」。五輪ロードを突き進む。【保坂果那】
◆伊藤耕世(いとう・こうせい)1994年(平6)4月18日、東京都生まれ。小中学では野球、都立戸山高からアメリカンフットボールを始める。13年北大に入学し、1年から主力。リーグ4連覇に貢献し、2~4年に最優秀選手賞獲得。19年からフラッグフットボールを始める。20年日本代表初選出。21年世界選手権イスラエル大会出場。京都府在住で、製薬会社に研究者として勤務。専門は有機化学。家族は両親、兄と姉2人。168センチ、67キロ。
◆フラッグフットボール アメリカンフットボールが起源で、5対5で行うフィールドスポーツ。選手は腰にベルトを巻き、左右にフラッグを装着する。攻撃側は楕円(だえん)球を相手陣地に運んだら得点(タッチダウン)。4回の攻撃があり、毎回作戦タイムがある。守備側はボールを持つ選手のフラッグを取ったり、相手パスをキャッチ(インターセプト)することで失点を防ぐ。タックルなど接触行為は禁止されている。日本には90年代後半から本格的に伝わった。