【ハンドボール】五輪出場報奨金1000万円「借金してでも払う」金丸会長会見中知り驚きも即答

パリ五輪の出場権を獲得し、会見で快挙を報じる日刊スポーツを手に喜ぶハンドボール男子日本代表の選手たち。前列左から蔦谷、杉岡、東江、坂井、渡部、中列左から中村、吉野、吉田、泉本、可児、岡本、後列左から元木、玉川、部井久、高野、山田(撮影・野上伸悟)

36年ぶりに自力でオリンピック(五輪)出場権を得たハンドボール男子日本代表「彗星ジャパン」が、取り巻く環境を激変させた。

優勝で24年パリ五輪行きを決めたアジア予選の開催地カタールから29日に帰国し、30日は都内で記者会見を実施。主将の東江雄斗(30=ジークスター東京)は「たくさんの方々に来てもらい、優勝した実感が湧きました。パリではまずは予選突破でベスト8。そこからメダルに挑戦したい」と決意を示した。

止まっていた時計の針が一気に動き始めた。日本協会は五輪出場権獲得時、チームに対する報奨金を規程で1000万円に設定。7月に就任した金丸恭文会長は、会見中に存在を知った。経営者でもある同会長は、質問に驚いた表情を見せながらも「規程に書いてあるなら、借金してでも払いたい」と即答。選手は「ありがとうございます」と声を弾ませた。会見後の祝勝会は前日に宮本英範専務理事を中心に急きょイタリアンを予約し、会費はポケットマネーで捻出。うれしい悲鳴にも金丸会長は「誇らしい気分」と胸を張った。

従来は限られた予算で工夫を強いられた。9月のアジア大会前には日本リーグの外国人選手を集め、日本代表と試合。会場も費用を抑えられるトレーニングセンターだった。7月にはジークスター東京が旗振り役となり、フランスリーグ9連覇中の強豪パリ・サンジェルマン(PSG)が来日。日本代表とも国際親善試合を行った。来年の再戦もプランにあり、金丸会長は「お金はないけど、後で集める」と言い切った。

今後は各所属に散らばり、次の照準を来年1月のアジア選手権(バーレーン)に定める。自国開催で出場した21年東京五輪は1勝4敗の11位。悔しさを知る東江は「フィジカル、技術…。もう1~2段階、レベルアップする必要がある」と見据えた。力強くなるバックアップを受け、コートで結果を求める。【松本航】