【体操】橋本大輝「ちょっとビビった」中1の女子テニス選手・佐脇京が洗練された語りで驚かせる

服部真二賞の授賞式に出席した、左からウクレレアーティストの近藤利樹氏、クラリネット奏者の北村英治氏、23年WBC日本代表の栗山監督、服部真二文化・スポーツ財団の服部真二理事長、体操の橋本大輝、テニスの佐脇京(撮影・松本航)

体操男子で21年東京五輪(オリンピック)金メダル、世界選手権個人総合2連覇の橋本大輝(22=順大)が中学1年生のスピーチ力に驚いた。

1日、都内で世界に向けて挑戦している若い音楽家やアスリートなどを顕彰する「服部真二賞」の授賞式に出席。同賞(ヤングリーダー)を受賞した。3月に野球のWBCで日本代表を優勝に導いた栗山英樹氏(特別賞)らと同席。授賞式後には「中学1年生の佐脇選手。コメントを聞いて、ちょっとビビって『もう1度自分を見直そうかな』と思うぐらい素晴らしいスピーチで、後にスピーチする僕が震えて『したくないな』と思いました。いろいろな人から刺激をもらって、今日はいい1日でした」とすがすがしく振り返った。

出席者を魅了したスピーチは、スポーツ賞(ライジングスター)に輝いた東京・松濤(しょうとう)中学校1年生でテニスの佐脇京(けい)。フォアハンドを両手で打つスタイルを武器に、22年全国小学生大会シングルス準優勝を飾った。

佐脇は話す内容を記す紙などを用意することなく「世界を見れば病気や戦争、災害、貧困で自分のやりたいことに向き合えない環境の方も多くいらっしゃいます。私は毎日大好きなテニスに向き合えて幸せです」と切り出した。2歳のころから伊達公子、錦織圭の映像を見て憧れ、5歳から本格的に競技を開始。90年代に活躍した世界的スターのモニカ・セレシュをほうふつとさせる、両手打ちのスタイルで世界に羽ばたく。

「ラケットを刀のように見立てて打っています。テニスラケットを刀のように使うと、右手主導で打つのか、左手主導で打つのかをコントロールすることで、回転などを細かくコントロールできる。相手との時間と空間の駆け引きを、有利に進められます。侍スタイルの両手打ちです」

特別賞は94歳のクラリネット奏者、北村英治が受賞。生演奏を聴く機会に恵まれた。橋本は「自分を表現することが音楽でできているのがすごい。そこは自分の体操も『うまく表現できるところがあるんじゃないか』と刺激がありました」とうなずき、24年パリ五輪の青写真を描いた。

「やっぱりパリで金メダルを取りたい、強い気持ちがあります。その中で自分の体操ができた方が、喜びが2倍になると思う。日本は美しい体操と言われているので、それを受け継いで、自分の演技で多くの人を魅了して、感動させて、心を動かして『憧れの選手は橋本大輝だ』と言われるように、夢を与えられる選手になりたいと思います」

刺激的な1日を自らの体操につなげる。【松本航】