“ミライアスリート”に総額400万円支援 初代「AthTAG大賞」に陸上男子100m本郷汰樹

第1回AthATG大賞の発表後、記念撮影する左から古田敦也、野村忠宏、本郷汰樹、伊達公子、潮田玲子、金沢景敏(敬称略)

日本初というアスリートと企業の相互支援型社会貢献活動「AthTAG(アスタッグ)」の第1回大賞を競うピッチコンテスト「AthTAG GENKIDAMA AWARD 2023」が23日、都内で行われた。

AthTAG公式アンバサダーでオリンピアンの柔道野村忠宏氏、テニス伊達公子氏、野球古田敦也氏、バドミントン潮田玲子氏が「レジェンドアスリート」となり、サブスクリプションの肖像権を参画企業に提供。その対価として企業側が支援金、活動費を、世界を目指す“ミライアスリート”に届け、新たなレジェンド級の選手を養成していくサイクル化に挑む。

その大賞(100万円)副賞(50万円)を、全8人の各界トップ選手が自らプレゼンテーション。最終審査として争った。

持ち時間は1人10分。マウンテンバイクの北林力(23)をトップバッターにフェンシング山田優(29)トランポリン海野大透(23)競泳江戸勇馬(29)ライフセービング三井結里花(31)陸上本郷汰樹(たじゅ=24)フェンシング松本龍(21)トランポリン中村優希(25)の順に登壇。スライドや映像を駆使してアピール対決し、大賞には陸上男子100メートルで10秒12の記録を持つ、今春まで名古屋大の大学院に在籍していた本郷が選ばれた。

持ち前の明るさで「ワクワク」の共有をPRし、審査員となった各参画企業の支持を集めた。4人のレジェンドアスリートと並んだ本郷は「自分もレジェンドになった気分」と笑顔を見せ「父がガーナ人なんですけど『たじゅ』の名前は、現地の言葉で『王冠』を表すみたいです。プレゼンでも9秒台を出すって言っちゃったんで、出します! 日本人5人目になれるよう頑張ります」と誓い、レジェンドアスリートからも次の通り称賛された。

野村「人を巻き込む力があって、プレゼンに聞き入ってしまいました。10秒の壁を破るのは並大抵のことではないと思いますが、本郷やるんじゃねえの、って思わせてくれました」

伊達「9秒台はハードルが高いとはいえ、だからこそ、やる価値がある。聞いていて(キャリアの)スタートが遅い中で(短期間で0秒27も伸ばし)伸びしろや未来への十分な可能性を感じました」

古田「プレゼンが良かったと思います。各競技の皆さんが取り組んでおられる中、日本人が五輪やWBCは見てくださる中で『カネ』を得るには、こういう能力も必要だなと。競技の魅力の前に、本人の魅力も必要で、こいつ応援したいなと思わせる能力もアスリートにとって必要だと、あらためて感じさせられた瞬間になりました」

潮田「ワクワクさせたい! と何度もプレゼンでおっしゃっていましたが、大賞を取ったということは、世界陸上とかトップ8(決勝)とか本郷選手へのワクワクが想像できたんだと思います。だからこそ、裏切ることなく精いっぱい頑張って私たちをワクワクさせてください」

副賞には、出産後半年で日本一へ返り咲いた1児の母で、遠征先のドイツからオンラインで参加した三井が輝いた。「ママとして、アスリートとして、妻として活動していますが、なかなか資金が集まらず…アルバイトもしているんですけど、なかなか…。その中で思いを伝える場をいただけただけでも感謝の気持ちでいっぱいです。今回の賞金は1円も無駄にすることなく、ライフセービングの本場であるオーストラリアへ娘と行きたいと思います」と意欲を高めていた。

賞金総額は400万円。野村忠宏賞は柔道の服部辰也、伊達公子賞はテニスの石井心菜が受賞した。一般社団法人スポーツインフィニティから2人を通じて各100万円が贈呈され、古田敦也賞と潮田玲子賞は次回から贈られる予定になっている。

この賞は、早稲田大から京都大アメリカンフットボール部、TBS、営業成績日本一となったプルデンシャル生命を経て起業したAthReebo株式会社の金沢景敏代表取締役が創設した。

「AKB総選挙×マネーの虎のイメージ。集まった支援をドラゴンボールの『GENKIDAMA』として選手に届けられれば」

かねて「日本はアスリートが引退した後、極端に道がなく、スポーツにお金を払う文化がないと感じていました」と言い「欧米ではスポーツはエンターテインメントですが、日本では教育、体育。稼いではいけない体質がこびりついています。もうけることを良しとしない空気感があります。語弊を恐れず言えば、アマチュアイズム、貧乏根性。そこからの脱却、収益化を考えて循環させたい」と力を込めた。

第1回の実現までに「500社と商談してきましたが、今後はもっと、1000社から支援をいただければ、月5000万円、年6億円がアスリートのために使えます。そのための営業は、引退した選手で行っていきます。全員が幸せになれるスポーツ界にしていきたい。そのためにも本郷選手、あなたが9秒台を出したり、パリ五輪などで活躍すればAthTAGは一気に知名度が上がります。よろしくお願いします!」と笑顔で夢を託していた。