34年五輪の札幌市での開催の可能性が消滅した事を受け、日本オリンピック委員会(JOC)の尾縣貢専務理事が30日に取材に応じ、招致活動の継続を表明した。
国際オリンピック委員会(IOC)が29日にパリで開いた理事会で、30年冬季五輪の最優先候補地にフランス、34年大会は米ソルトレークシティーが選定され、事実上の札幌開催断念に追い込まれていた。
同専務理事は「30、34年の線が消えたことで、今後、札幌市との協議を始めたい。私たちとしては、これを本当に後ろ向きに捉えるんではなくて、その間どういった五輪ムーブメントっていうのができるか、あるいは五輪に対する国民の理解であるとか支援というのを求めるべく、いろんな活動を作ってまいりたいと思っております」「招致活動を何らかの形で行っていく気持ちはある」と述べた。
札幌市は東京五輪を巡る汚職・談合事件の影響による開催支持率の伸び悩みなどから、10月に30年大会の招致断念を表明。同時に34年以降の開催を目指すと仕切り直しを強調したが、それから2カ月たたずに34年の線も消えた。
理事会では38年大会もスイスが候補地となり、旗色は悪い。早くても15年後以降となった招致活動。同専務理事は「札幌市はじめ、国内の候補都市となるようなところと今まで以上にしっかりとした対話をすることをやっていこうと考えております」と慎重に説明した。
◆札幌市の冬季五輪招致を巡る経過
2014年11月 上田文雄市長(当時)が26年大会の招致を表明
18年9月 北海道地震発生。市は国際オリンピック委員会(IOC)に招致断念を伝え、目標を30年大会に切り替え
20年1月 日本オリンピック委員会(JOC)が30年大会の国内候補地を札幌市に決定
22年12月 IOCが30年大会開催地決定を先送り。札幌市とJOCは積極的な機運醸成活動を当面休止すると発表
23年4月 札幌市長選で招致推進派の秋元克広市長が3選を果たす一方、反対派も一定の票を獲得。JOCの山下泰裕会長は34年大会への目標変更も視野に入れ、札幌市と協議する方向性に言及
同6月 スウェーデン・オリンピック委員会が30年大会の招致活動を本格化させると表明
同7月 フランスの東部、南東部の2地域圏が30年大会招致に乗り出すと表明
同10月 札幌市が30年大会の招致を断念する方針を固めたことが5日判明。11日に表明。