キーワードは「超速」だ。ラグビー日本代表のヘッドコーチ(HC)に9年ぶり復帰が決まったエディー・ジョーンズ氏(63)が14日、強化プランを語った。
都内で行われた就任会見に出席。日本語で「チョウソク」と口にし、走る速さはもちろん、思考の回転速度などにこだわる姿勢を示した。日本協会は27年ワールドカップ(W杯)オーストラリア大会で優勝を目指す方針を掲げており、同氏は第1関門として8強に照準。高校生、大学生年代にも積極的に着目し、一貫性を持って強化を進める。
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世界中を驚かせた15年W杯イングランド大会から8年。南アフリカ戦の歴史的勝利に導いたジョーンズ氏が、グレーのスーツ姿で壇上の中央に座った。前日13日に24年1月1日からのHC復帰が決定。身ぶり手ぶりを交え、思いを込めた。
「さらに強くなった日本のHC、すごく光栄に思っています。強いチームは、それなりの特色を持つ。強みをきちんと持つチームを育てたいと思っています」
日本代表に別れを告げた8年前と、立ち位置は変わった。ジョセフ前HCが指揮した19年W杯で過去最高の8強。11年大会までW杯でわずか1勝だった代表は、今や国内外から注目を集める。では、求めたい日本の「特色」は何か。W杯準優勝2度の名将は「チョウソク」と日本語を用いた。
「相手よりも速く走るだけではなく、速く考え、速く決断ができる。15人それぞれがリアクションし、結束、決断をして動く」
その指針は育成にも通じる。国内の選手の大多数は高校卒業後に大学へ進学。昨季に大学4年生が入団予定のリーグワンチームへ1月に加入する「アーリーエントリー」が整備されたが、ジョーンズ氏は「大学にもリーグワンにも、チーターのような速さ、忍者のような機転が利く戦い方ができる選手がたくさんいる」とさらなる可能性を探る。世界ランク1位で今秋のW杯に乗り込んだアイルランドを例に出し、若い年代を巻き込んでいく方針を掲げた。
「アイルランドはラグビー人口が少ないが、可能性のある選手のプール(枠)をうまく作っている。一貫性を持った哲学、考え方。調和という日本の特徴も生かし『オールワン』で、選手の育成に取り組みたい」
日本協会からは4年後のW杯に向けた短期的な結果、8年後を見据えた中期的な強化を求められている。自身の母国開催となるオーストラリア大会へ「まずはトップ8を必ず目指したい」。その先には、まだ見ぬ景色があると信じている。
◆エディー・ジョーンズ 1960年1月30日、オーストラリア・タスマニア州生まれ。オーストラリア人の父と、日系米国人の母の間に生まれる。東海大の指導のために95年に来日。世界最高峰スーパーラグビーのブランビーズを率い、01年に優勝。W杯では、オーストラリア代表監督として03年大会準優勝。07年大会は南アフリカのアドバイザーとして優勝に貢献。12年に日本代表HCに就任し、15年W杯で歴史的3勝。同年11月からイングランド代表監督に就き、19年W杯準優勝。22年に解任され、23年1月にオーストラリア代表監督に再任。若手主体で臨んだ同年W杯は同国初の1次リーグ敗退となり同11月25日付で契約解除。妻は日本人。現役時代はフッカーで代表歴はなし。