大学ラグビー関西王者の京産大が「4強の壁」「関東の壁」を突破する。関西リーグを最終節の天理大との全勝対決に劇的勝利で初の3連覇を飾った京産大が、全国大学選手権に臨む。
初戦は23日の準々決勝(ヨドコウ)で、昨季準決勝で33-34と1点差惜敗した早稲田大へのリベンジを果たす。京産大の最高成績は4強で過去9度。フランカー三木皓正主将(4年=京都成章)を中心に阻まれてきた「壁」に挑む。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
フランカー三木主将は「壁」に挑む決意を京産大ラグビー部名物の急坂上りにこめた。学舎から練習場の神山球技場へは、坂を上がっていかなければならない。アスリートでも息があがるほどの急勾配が、練習前に待ち受ける。三木は言った。
「1年の時はこの坂をあと何百回、上らなあかんのやろと思っていた。4年になった今、(大学選手権の)初戦に負ければ、あと数回しか上れない。あれだけイヤだった坂上りがなくなるのは寂しい。あと20回以上は上りたい」
年を越し、1月2日の準決勝、同13日の決勝へと進めば、それはかなう。急坂とともに大学ラグビー生活を送ってきた、三木主将の決意だった。
現監督でキックの名手だったSO広瀬佳司、快足WTB大畑大介、SH田中史朗ら多くの日本代表選手を輩出する京産大だが、大学選手権では過去9度、準決勝の壁に阻まれてきた。立ちはだかるのは関東勢。三木主将は「リーグ戦も負けたら終わりの気持ちでやってきた。そこは変わらない。やってみないと分からないが、自信はあります」とキッパリ言った。
関西リーグ最終節、天理大との全勝対決は残り2分、9点差逆転の劇的勝利だった。今季のチームを象徴する「あきらめない」姿勢。同じ方向にチームをまとめあげるのが三木主将だ。広瀬監督は「練習の段階では静かだが、試合でガーッとリーダーシップを発揮する。自分が体を張ってチームを鼓舞するタイプ。とても信頼している」と評した。
三木主将は「(昨季までは)お世話になった先輩に恩返しをしたい思いだけ。今はキャプテンという肩書がある以上、チームで一丸になるために体を犠牲にしても自分のプレーを見せることが自分のリーダーシップ」と言った。
主将自ら体を張り、全身で引っ張る京産大ラグビー。23年のスポーツ界を席巻した「関西の風」の後押しも受け、日本一への登頂を開始する。【実藤健一】
○…目指す日本一へは、試合に出る「Aチーム」だけではたどり着けない。京産大ラグビー部の進撃をサポートする4年の“三人衆”FW渡辺龍(洛北)、FW山本大翔(高知中央)、CTB大村亮介(日本航空石川)が、最後の大学選手権を前に思いを語った。
渡辺 今までとは違う(練習への)取り組み方で、全員が同じ方向を向いた練習にしたい。
山本 1日1日が今までとは違う。何ができるか、考えて行動している。試合に出る選手たちも「出られないメンバーのために」という思いをプレーで示してくれるから、チームがひとつになれる。
大村 今年に入って(4月に左膝を)けがをしてしまって思うようなサポートができなかったが、ようやく戻ってこられた。チームの雰囲気もよくなってきた。
グラウンドでボールを追いかけて走り、体を当てなくても、戦う気持ちは同じ。3年連続の関西王者に貢献したサポートメンバーも一丸となり、頂を目指して全力で駆ける。
◆京産大ラグビー部 1965年(昭40)の大学創立とともに創部。関西Bリーグに所属した73年、天理大コーチだった大西健監督が就任。1季目でAリーグ昇格。関西リーグは今季初の3連覇を飾り、通算7度の優勝。全国大学選手権は今回が37回目で最高成績はベスト4。プロップ田倉、現監督のSO広瀬、WTB大畑、CTB吉田、SH田中ら、多くの日本代表を輩出している。