<バドミントン:全日本総合選手権>◇30日◇最終日◇東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ◇男子シングルス決勝
元世界ランキング1位の桃田賢斗(29=NTT東日本)が決勝に臨み、渡辺航貴(24=BIPROGY)を2-1(21-12、17-21、21-11)で下し、2年連続6度目の優勝を飾った。
「今大会入った時は背中をケガしていて、スマッシュが思うように打てず、長いラリーのらりくらいという感じでファンを沸かせられなかったですが、僕なりにしぶとく、楽しくプレーできたので良かったです」
第1ゲーム(G)は序盤こそリードを許したが、中盤以降に挽回。11-12から10連続得点で引き離した。
第2Gこそ落としたが、第3Gでは7連続得点を奪った。16-8で迎えた場面では1分ほどに及ぶラリーを落としたが、その直後に鋭いスマッシュで奪取。相手に付けいる隙を与えなかった。
「自分の中では日本のエースを決める大事な大会。この大会にかける思いも他の選手よりも強いと思う。それが気持ちとして表れたんじゃないかな」とほほ笑んだ。
前日29日の準決勝では世界ランキング2位の奈良岡功大(FWDグループ)との新旧エース対決が注目されたが、奈良岡の棄権により、初対戦はお預けとなった。桃田自身も楽しみにしていた試合がなくなったが「そこで引きずる感じは特になかった」と切り替えた。「海外の試合で勝ち上がればまた戦う。そこまで楽しみにしておきたい」と笑顔を浮かべた。
元世界1位の実力者は、11月に韓国マスターズで2年ぶりにワールドツアーを制覇。直後の熊本マスターズでも8強入りと復活の兆しを見せていたが、現在の界ランキングは日本勢6番手の38位。来夏のパリ五輪シングルス代表は最大2枠で、来年4月末までの選考レースでも日本勢6番手につけている。
桃田自身も「五輪レースは厳しい部分もあると思う」と現状を受け止めるが、今は目の前の試合に力を注ぐ。
「パリ五輪は出たい気持ちもあります。でも出られなかったとしても、僕のバドミントン人生はそこで終わりではない。試合に出られる限りは、全身全霊でトライしていきたいと思います」
この日もファンの大歓声を浴びた。優勝を決めた直後のこと。会場に詰めかけた子どもから「桃田お疲れー!」と叫ばれると、「ありがとう!」と優しい表情で手を振る姿があった。
「勝ち負けにとらわれることなく、自分にできることを精いっぱいやって、支えてくださった人たちや自分がやってきたことを信じてプレーできている」
今の自分にできることを積み重ねていく。