<全国高校ラグビー大会:大分東明74-0仙台育英>◇2回戦◇30日◇大阪・花園ラグビー場
“フィジーパワー”さく裂! Bシードの大分東明が仙台育英(宮城)に圧勝した。194センチ、105キロの体格を誇る留学生のCTBセニビツ・イリエサ(3年)が、約50メートルの独走トライ。昨年6月にフィジーから入学し、今回の花園が最初の大舞台。チームの3回戦進出に貢献した。Aシードの佐賀工は高鍋(宮崎)との九州勢対決を制し、大会連覇を狙う東福岡は盤石の強さを発揮。鹿児島実、長崎南山、高川学園(山口)は2回戦で姿を消した。
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フィジー出身留学生のCTBセニビツが、鮮やかな花園デビューを飾った。前半11分だ。パスをもらい一気に加速。規格外の体格で、50メートル6秒3の快足を飛ばす。自軍リザーブも「お~、えぐい」と声をもらし、約50メートル先のインゴールへ飛び込んだ。花園初トライに「楽しかった。勝ててうれしい」とにっこり。昨年6月に入学し、約半年で簡単な日本語もマスターしていた。だが、日本文化へのとまどいもあった。
寮生活の風呂場は衝撃だった。日本は裸で入浴がセオリーも、フィジーではなじみない。ロック嶺和真主将(3年)は「ズボンか何か分からないけど、何かを履いていた」と笑い、「今は日本の文化に染まってくれた。一緒に入ってます」と“裸の付き合い”で意思疎通を深める。
そんなセニビツの好きな食べ物は「肉! 焼き肉」。嶺主将は、寮の食卓に唐揚げが並ぶこともあり「(セニビツは)みんなにもらっていっぱい食べてますね。ご飯もどんぶり」と証言する。来日時は75キロだった体重も、日本食のおかげで現在は105キロだ。見違えるほどたくましくなった。
おちゃめ!? な一面もある。英語の宿題を提出し忘れることがしばしば。放課後の練習中に“お呼び出し”がかかることも。白田誠明監督(47)からは「ラグビーだけ、しに来たなら帰れ」と、おしかりも受けた。「やっぱり学校ですから。プロじゃない。人間としても成長してほしい」と言う。チーム目標は過去最高成績の8強入りを掲げる。セニビツは「次も頑張る」と腕ぶした。【佐藤究】
◆セニビツ・イリエサ2005年10月6日、フィジー出身。シンガトカビレッジを卒業し、昨年6月に大分東明に入学。兄は元フィジー代表でフランス・クレルモンに所属するペゼリ・ヤト。好きな食べ物は焼き肉。ポジションはCTB。身長194センチ、105キロ。