<アメリカンフットボール:ドリーム・ジャパン・ボウル>◇21日◇東京・国立競技場◇観衆6271人
日本が、初めて、本場米国に勝った。1934年(昭9)に初めて国内でアメリカンフットボールの公式戦が開催されてから90年。全日本選抜が、米大学アイビーリーグ選抜を10-5で破った。公式のアメフト代表、選抜チーム同士の対戦で日本が米国勢に勝った例は1度もなく、山本洋ヘッドコーチ(富士通)は「日本にとって重要な1歩」。早大卒のエースQB政本悠紀(IBM)は「歴史的瞬間」と喜びをかみしめた。
バスケや野球など米4大スポーツの中で唯一、日本人のNFL選手が誕生していない現実が格差の大きさを物語る中、国内最上位Xリーグ中心のオールスター構成で60選手をそろえ、先発QBの政本がランとパスを調律した。第1クオーター(Q)開始5分、ライスボウルMVPのRBグラント(富士通)にボールを託し、先制タッチダウン。第3Qのラストプレーでは国立が沸く。自陣1ヤードからのラン攻撃を全員で食い止め、リードを死守した。
昨年も終盤に逆転負けしたが、最後の攻撃で勝ち越し点を奪えなかった政本が1年後にリベンジした。「1対1」の違いを痛感した昨年から、タックルの角度など体格差を補う対策を徹底。WR宜本は「6歳から米代表に勝つことが夢だった」と涙を流して喜んだ。
相手はハーバードやエールなど超名門で構成されるが、米大学1部リーグ下位に所属。それを日本の社会人最強が迎え撃ち、この僅差になるほど発祥国のレベルは高い。立場を踏まえた上で、RB李主将は「この勝利で米国も本腰を入れ、次はさらに強いチームで来るかもしれない。大きな意味がある」。90年間で初めて開けた扉の先に、次のステージがある。【木下淳】