<フィギュアスケート:国民スポーツ大会冬季大会(旧冬季国体)>◇第2日◇29日◇北海道苫小牧市・nepiaアイスアリーナ◇少年男子フリー
織田信成(36)のおいにあたる高校2年の信義(16=大阪・大阪スケート倶楽部)が少年男子フリーで99・81点をマークし、合計149・45点とした。大阪チームの応援を受ける中での演技に「仲間が応援してくれて心強かった。みんなの応援が力になったと実感できました」と声を弾ませた。
冒頭から3回転ルッツ-2回転トーループの連続ジャンプ、3回転トーループを着氷させ、3本目の3回転フリップへ。成功率が上がらず「抜こうかな」と思ったジャンプだったが、直前にリンクサイドの信成から「絶対に入れたほうがいい」とアドバイスを受け、構成に組み込んだ。助言を信じ、強気に3回転フリップを着氷。「練習していなかったんですけど、気持ちで跳んだ。すごく気持ち良かったです」と笑みを浮かべた。
信義は4歳から競技を始めた。これまで注目されることもあったが、なかなか結果が出ない時期も続いた。「大きすぎる(存在)」とバンクーバー五輪7位入賞の実績を誇る叔父を見上げる日々。「下手くそだった。同じ土俵に立てなかったです」と悔しさもあった。
ただ、スケートが「楽しい」という思いはうせることがなかった。周囲から「こうしたほうがいいよ」と助言を受けた時には「かみしめながらずっと練習していた」と振り返る。信成も「彼はジャンプで伸び悩んでいたりしていたが、それを乗り越えてきた」と証言する。
高校に入り、ようやく努力が実が結び始めた。1年ほど前にバッチテスト7級を取得すると、3回転ジャンプの練習にも精力的に励んだ。今季は全日本ジュニア選手権にも初出場。16位と奮闘した。
この国民スポーツ大会(旧国体)も初めての出場となる。同じ大阪代表の信成は、同日午前の成年男子SPで3位発進を決めた。「大人げない」と笑いを誘いつつ、「普段の練習でも本当に30代後半かなと思うような動きをする。自分もあのくらいの年齢になっても、同じような動きができるように頑張りたい」と目を輝かせた。
今の目標は来季の全日本ジュニアで表彰台に立つこと。「(信成との)差を縮められるように頑張ってきたんですけど、最近はやっと1歩くらい進んだかな」。額の汗を拭いながら、静かにほほ笑んだ。【藤塚大輔】
◆国民スポーツ大会冬季大会 23年までは「国民体育大会」の名称で実施されていたが、今年から「国民スポーツ大会」(略称「国スポ」)に改められた。これはスポーツの価値を世界の人々と分かち合い、スポーツを通じた社会変革に向け世界各国と協調していくことを理念とするため。