日本ハンドボール協会は9日、7月開幕のパリオリンピック(五輪)に出場する男子日本代表「彗星(すいせい)ジャパン」を率いるアイスランド出身のダグル・シグルドソン監督(50)から辞意を伝えられたと発表した。
契約期間は五輪終了後までだが、3日に突然連絡があったという。「他国の監督に就任したい」との意向で、関係者によると同監督はクロアチアなど複数オファーを受けてきたといい、同国メディアも3月の五輪予選に向けて代表監督就任の可能性を報じている。
ハンドボール界に激震が走った。日本は昨年10月のアジア予選を制し、88年ソウル大会以来、36年ぶりに自力で五輪切符をつかんだ。先月のアジア選手権でも45年ぶり優勝まであと1歩に迫る準優勝。かねて東江雄斗主将(30=ジークスター東京)は「ダグルはやることがぶれない。攻撃も防御もシンプルで、落とし込みやすい。選手たちが共通認識をもって、同じ方向にできている」と信頼を口にしていた。この日の発表前、田中俊行強化育成本部長から各選手へ電話やメールで報告すると「次の監督は誰になるのですか?」といった反応があったという。
シグルドソン監督は世界的な名将として知られる。ドイツ代表を指揮して16年リオデジャネイロ五輪銅メダルに輝き、翌17年に日本代表監督に就任。21年東京五輪を経て、先月のアジア選手権でも複数の主力を故障で欠く中、五輪を見据えて若手を積極的に起用し「大きなストレスを感じる環境で、どれだけのプレーをすることができるか。それを見極めていきたい。これからの日本ハンドボール界のためになると信じている」と強化を進めていた。
日本協会は突然の辞意に対し「契約に基づき適切に対応をしてまいります」とコメントした。後任の人選と交渉を経て、早期の発表を目指す方針だ。今後は3月上旬に再集合し、国内合宿や海外遠征を予定する。五輪開幕まで半年を切る中で、大きな壁に直面した。