<ラグビー国際交流試合ザ・クロスボーダー・ラグビー:チーフス35-30東京ベイ>◇10日◇東京・秩父宮ラグビー場◇観衆9439人
リーグワン昨季王者のクボタスピアーズ船橋・東京ベイが、世界最高峰スーパーラグビー(SR)パシフィックで昨季準優勝のチーフス(ニュージーランド=NZ)に食い下がった。
30-35で敗れたが、1月に全国大学選手権で3連覇した帝京大のフッカー江良颯(22)が後半から出場。非公式戦ながら、大学4年生が対象のアーリーエントリー“最速デビュー”で、いきなり世界のレベルを知った。昨季3位の横浜キヤノンイーグルスはブルース(NZ)に22-57で敗戦。チーフス、ブルースとの計4試合を、日本勢は1勝3敗(1勝は埼玉パナソニックワイルドナイツ)で終えた。
◇ ◇ ◇
世代屈指の男が、王国を相手に可能性を証明した。ハーフタイムを終えた後半。8-21の劣勢で、東京ベイの江良はピッチに立った。後半6分、相手陣のスクラムで組み勝つと、ペナルティーを獲得。一連の流れから同7分にWTB山崎がトライし、接戦に持ち込んだ。「海外の人は体が大きい。低く当たって、圧力をかけたかった。セットアップ(組む直前の形)から『勝った』と思った」。1月末に本格合流したばかりの22歳に、自信がにじんだ。
リーグ2連覇を目指す王者に、頼もしい新戦力だ。第6節を終えて3勝3敗の6位。残り10試合でプレーオフ圏内の上位4チーム入りは必達だ。この日は元NZ代表フッカーで37歳のコールズを温存。ルディケ・ヘッドコーチ(HC)は「時間は短かったが、いいパフォーマンスだった。彼はヤングスター」と江良を評し、後半は今季出場がない25歳のWTB山崎の2トライなどで5点差に迫った。
SR準優勝のチーフスとのガチンコ勝負。大阪桐蔭高、主将を務めた帝京大で日本一を経験した江良は、世界レベルも肌で感じた。後半20分、モールの左サイドを突いたが「(相手の)腕力の強さがいつもと違った」とトライできず。それでも強引に持ち込まずに次の攻撃に託し、プロップ才田のトライにつなげた。強さと冷静さを兼ね備えた、将来の代表候補は誓った。
「ルーキーで出させてもらうからには、チームの勝利に少しでも貢献したい」
社会人仕様でパーマをあてた22歳。起爆剤になる準備ができた。【松本航】
○…日本代表エディー・ジョーンズHCが“はしご視察”した。午後0時10分から神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場で横浜、秩父宮では午後2時半からの東京ベイの戦いを見守った。3日にローマで欧州6カ国対抗のイタリア-イングランドを観戦し、6~7日は福岡で日本代表候補を指導。前日9日は埼玉・熊谷のU20(20歳以下)日本代表FW合宿へ訪れていた。6月の本格的な代表活動開始に向けて、精力的に動いている。