【バレー】アルテミス北海道、成田郁久美監督と所属全15選手が退団あいさつを行う異例の事態

最後の挨拶をするアルテミス北海道の成田監督(撮影・中島洋尚)

Vリーグ女子3部(V3)アルテミス北海道の感謝祭が23日、北海道・北広島市総合体育館で開催された。退団セレモニーでは、元日本代表の成田郁久美監督(48)と、今季所属全15選手が退団のあいさつを行う異例の事態となった。

3年前、トライアウトから始まったチームが、初参戦のVリーグで準優勝を飾った。全員が別に仕事を持ち、チームからの報酬はない。午後5時の業務終了後に集まり、深夜まで練習する過酷な環境の選手を率い、結果を出した。フロントへ要求は、着替えのユニホームと、遠征先の宿舎で、夕食を付ける程度だった。それでも「うわさで聞いていた」(成田)とおり、3月2日に運営法人とのZOOM面談で、契約満了を告げられた。

その後、監督交代を知った選手が、1人1人個別に自身の進退を判断。結果が“全選手退団”となった。「最初に見た時に『球技大会か』と思った子たちが、血のにじむような努力をしてVリーグで立派に戦うところまで成長した。(全選手退団という)こういう決断をさせてしまったことは、非常に残念」と、指揮官の目から涙が落ちた。

一部選手は、他チームでプレーを継続する意向を示す。「上(Vリーグ)でやれる選手には、移籍先を探してあげたい」と成田監督。自らは「最初は『監督は向いていない』と思っていましたが、3年間チームを持たせていただいて、想像していたより楽しんでいる自分がいました。声がかかったら、やる可能性は0ではないですね」と前を向いた。【中島洋尚】

○…チーム運営に関する考え方の相違で所属選手が0人となったアルテミス北海道だが、今秋からの新Vリーグ参入と、SVリーグの準加盟が発表されており、最低所属選手数(14人)を満たすべく4、5月に北海道内外でトライアウトを実施する。すでに大卒・高卒で計4人の入団が内定。残りをトライアウトや、今季Vリーグ終了後の自由契約選手、大学在籍選手(3人まで)で補充する。新監督も4月上旬には発表する。運営法人の工藤浩代表理事は「開幕の10月には間に合うと考えています。できるだけ速くSVリーグに上がれるように、準備を進めていきたい」と話した。