“鉄”の輝きを取り戻す。かつて「北の鉄人」と呼ばれた「新日鉄釜石ラグビー部」を前身に持つ日本製鉄釜石シーウェイブス(2部6位)が明日25日、クリタウォーターガッシュ昭島(3部3位)とのリーグワン2部/3部入れ替え戦第2節(東京・AGFフィールド、正午)を迎える。
日刊スポーツ東北版はWTB小野航大主将(32)、第1節でゲームキャプテンを務めたFLサム・ヘンウッド(33)にインタビュー。第1節は37-19で見事勝利し、2部残留にグッと近づいた。集大成の第2節へ、2人は“ラグビーのまち”釜石を背負う覚悟を示した。【取材・構成=濱本神威】
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第1節で今季2勝目を挙げ、盛り上がるファンの姿を見たヘンウッドは、「僕たちは2勝しかしてないのに大喜びしてくれた。こんなに喜んでくれるファンがいるというのは、本当に信じられないくらい素晴らしいことだと思っている」と振り返った。その一方で「皆さんにふさわしい結果をお見せできていない」。今季リーグ戦では1勝9敗に終わり、順位も2部最下位。ふがいない結果だった。
悔しくて、なさけない結果でもファンは支えてくれている。今季初勝利は3月10日に釜石鵜住居復興スタジアムで行われた東日本大震災復興記念試合(第8節、九州KV戦)。この日まで6戦勝ちなしだったが、試合にはチームの主管する興行で史上最多となる3947人のファンが駆けつけた。特別な日に特別な場所で行われた試合にチームは自然とまとまり、28-11で勝利。「言葉にはしづらいんだけど、エネルギーが違った。その瞬間にみんなが生きてるという雰囲気があった」。大きな声援が背中を押してくれた。
応援に結果で返していく。ヘンウッドは「第一に残留。そして来季は目標の2部上位3位に。もちろん昇格となればさらにいい。行くための力はあるから、結果で返していく」。来季の逆襲への足掛かりとする、今季3勝目をファンに届けると誓った。
◆新日鉄釜石ラグビー部~釜石SW 1959年(昭34)に現在の新日鉄住金の前身、富士製鉄釜石製鉄所に発足した。70年に社名変更で新日鉄釜石ラグビー部に。77年に全国社会人を2度目の制覇、日本選手権では早大を下し初優勝。ミスターラグビー松尾雄治主将らを擁し、79年から85年まで全国社会人、日本選手権で当時最多の7連覇を達成。その強さから「北の鉄人」と呼ばれ一時代を築いた。01年にクラブチーム「釜石シーウェイブスRFC」として再始動。23年10月に名称を「日本製鉄釜石シーウェイブス」と変更した。今季はリーグワン2部に属し、成績は1勝9敗。