<フィギュアスケート:ジュニアGPファイナル>◇6日(日本時間7日)◇フランス・グルノーブル◇ジュニア女子フリー
【グルノーブル(フランス)7日=松本航、松本愛香通信員】フィギュアスケートのジュニアグランプリ(GP)ファイナル女子で大会史上初の3連覇を飾った島田麻央(16=木下グループ)が、挑戦の舞台に向かう。前日6日のフリーでは合計199・46点と苦しみながらも国際大会無敗を継続し、ジュニアの大会に限れば27連勝。一夜明けて、シニアに交じる全日本選手権(20日開幕、大阪)を見据えた。和田薫子(グランプリ東海クラブ)が2位、中井亜美(TOKIOインカラミ)が3位で、日本勢初の表彰台独占となった。
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快挙達成から一夜明け、島田が穏やかにほほ笑んだ。「写真を撮っていただいた時の表情が、少しずつ良くなってるんじゃないかなと思います」。睡眠は5時間の慌ただしさだが、小さな成長を喜ぶ。3度目の全日本選手権はシニアルールのため、ショートプログラム(SP)からトリプルアクセル(3回転半)投入が可能で「挑戦者として挑むので、ショートから絶対に挑戦したい。フリーも(大技2本に)挑戦し続けたいので、しっかりと決めることが目標です」と誓った。
前夜は悔し涙に暮れた。3回転半の着氷が乱れ、4回転トーループ転倒。終盤の3回転ループも氷に体を打ち付け、大技2本を含めた3本を失敗した。それでも地道な練習を裏付けるスピン3つで最高のレベル4。フリーもトップの125・74点で逃げ切った。「最初は驚き、2回目はすごくうれしくて、3回目はちょっと複雑な気持ちです」。3連覇でも心境は異なる。
従来は2年でジュニアからの“卒業”が可能だった。だが、国際スケート連盟(ISU)がシニアの年齢制限を今季から6月30日時点で満16歳、来季は満17歳へと段階的に引き上げ。10月30日に16歳の女王はなぞる形となり、ジュニアでの戦いが最短で来季まで続く。「ファイナルはこういう舞台、と分かってくると『こういう演技をしないといけない』と緊張してしまう」。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪への道は閉ざされており、ジュニア無敵の16歳は、他者とは異なる難しさに向き合う。
それでも姿勢はぶれない。国際大会に参加できていないロシア勢を意識し「出てきた時に戦えるように、今、その準備としてやっています」。年の瀬の大舞台は、挑戦者として楽しむ。
◆島田麻央(しまだ・まお)2008年(平20)10月30日生まれ、東京都出身。5歳で競技を始め、19年から全日本ノービス選手権3連覇。21年全日本ジュニア選手権では94年の荒川静香以来となるノービス(6月30日時点で満12歳以下)世代“飛び級”優勝。現在4連覇中。ジュニアGPファイナルは22年から3連覇中、世界ジュニア選手権は23年から2連覇中。名前は母が好きな浅田真央さんにちなむ。拠点は京都・宇治市で愛知・中京大中京高の通信制課程1年。151センチ。
○…初出場の和田は2位を喜んだ。フリーでは全体2位の123・98点と輝き「2人に助けてもらったことも多い。みんなで頑張ってきて、一緒に表彰台に上がれてうれしい」と独占をかみしめた。9月の第2戦チェコ大会がプライベートも含めて初の海外。一気にファイナル2位まで進んだ中学3年生は「自分の納得できる演技がしたい」と初の全日本選手権を見据えた。
○…3年連続出場で初の表彰台に立った中井は、シニア転向への足がかりにする。回転不足ながら冒頭のトリプルアクセル(3回転半)を着氷させ、フリーは4位の122・32点。2本目の3回転半は2回転半となり「点数はあまり良くなかったけれど、表彰台に乗れたのはうれしい」と振り返った。日本女子3人で唯一来季のシニア転向が可能で「上手なお姉さんたちに食らいついていけないと、オリンピックっていう舞台に立てない」と次戦の全日本選手権から存在感を示す。