<全国高校ラグビー大会:大分東明26-26高鍋>◇2回戦◇30日◇大阪・花園ラグビー場
抽選での敗退に指揮官や選手の目から涙がこぼれた。
高鍋(宮崎)は九州王者でBシード大分東明との九州勢対決で互角の勝負を演じ、試合は引き分けに終わった。前半終盤に逆転し、後半で差を広げるも、後半に22分に追いつかれ、抽選の結果で3回戦進出を逃した。
檜室秀幸監督(50)は、抽選を終え、主将2人制のうちの1人のCTB河野剛大(3年)が他の選手に結果を伝えるのを見届けてから取材会場に現れた。
もう1人の主将のロック田村武士(3年)とFB隈江隆希(3年)は、抽選中も取材場所で待機していた。檜室監督は取材が始まると「(結果を)伝えていいですか」と話し、2人に「残念やった」と伝えた。現場の雰囲気や先に現れた相手校の選手の反応で気づいていたようにも見えたが、両選手とも指揮官の報告に涙が止まらなくなった。檜室監督は背中をさすりながら何度も「負けていない」と励まし「ありがとう」と感謝した。
檜室監督は「キャプテンがダメだったと伝えた瞬間に周りの選手が『ありがとう』とみんな抱き合ってました。すごくいいチームでした」と涙ぐみながら振り返った。今年2月には全九州高校ラグビー新人大会Bパート決勝で19-52と大敗した相手。「何点詰めたんでしょう今日。追いつきました。感動しました」と語り「胸を張って宮崎に帰ろう」と選手らに伝えた。
トライも決めて活躍した隈江はけがを乗り越えての出場だった。1年時の全国高校ラグビー出場をかけた県大会準決勝で右足の前十字靱帯(じんたい)を断裂。手術を受け2年夏に復帰も、同9月に再度断裂し、今夏に復帰した。2度の大けがを乗り越えられたことには周りの支えが大きかった。「自分は2年の時に花園の試合に出たかったけど両キャプテンがゆっくり治していいよと言ってくれたから、もう1回イチからやり直そうと思った」と語り「お母さんにも感謝している」と涙を流した。
入院期間中にも成長。「ずっといろんないろんなプレー集を見てから復帰して、スタンドを一時期やってみて、視野も広くなって今日も状況判断がうまくできた」と明かした。険しい道を乗り越えた躍動も「勝ちたかったので、とても悔しい」と話した。【塚本光】