<卓球:全日本選手権シングルス>◇26日◇最終日◇東京体育館◇男子決勝
17歳の松島輝空(そら、木下グループ)が初優勝を飾った。
24年パリオリンピック(五輪)代表の篠塚大登(21=愛知工業大)を4-1(11-9、11-9、11-3、6-11、11-3)で下した。午前の準決勝で張本智和を4-1で破った勢いそのままに、オリンピアンを2試合連続で撃破した。
元卓球選手の父卓司さん(44)もコート近くの観客席で応援。4人きょうだいの長男輝空の活躍に目を細めた。
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生まれた時から、道は決まっていた。松島の父卓司さん(44)は、現役時代に妻由美さん(44)との混合ダブルスで全日本3位となった実績もあり「卓球をやらせる気満々だった」とほほ笑んだ。
夫婦そろって京都市内の田阪卓球会館で指導者をしており、0歳からラケットに触れさせた。「ラリーの音が子守歌」と卓球台で寝かせることも。1歳でラリーができるようになり、3歳から本格化した。
小学校1年から世代別の全日本を6連覇。「五輪で金メダルを」と口にするようになったが、同時におごりも見られるようになった。
「輝空は『俺様』な態度で、話も全然聞かなかった」
そんな中、パリ五輪の出場を逃し、振る舞いが変わり始めた。張本から「やってみたら」と勧められたゴミ拾いを始め、動画などでドジャース大谷翔平の思考法を学ぶようになった。
この日の準決勝前もエールを送ると「勝負にいかないと勝てない」と力強かった。言葉通り、攻めの姿勢でオリンピアンを連破。卓司さんは「夢を見ているよう」と目を赤くした。
変化の先に日本一をつかんだが、変わらないこともある。
「『試合では笑わない』と言っているけど、家ではよく笑う。妹をギューッとしたり。試合とは全然違う」
4人きょうだいの長男。家族との記念撮影になった時、わずかにほほを緩ませていた。【藤塚大輔】