フィギュアスケート男子の冬季オリンピック(五輪)2連覇王者、プロ転向3年目の羽生結弦さん(30)が9日、千葉・ららアリーナ東京ベイで単独アイスショーの全国ツアー「Echoes of Life」の千秋楽公演を迎えた。
後半は「アクアの旅路」から演じ、いまだ戦禍にある現代に向けて「Danny Boy」を舞い、再び感動を誘った。「Eclipse/blue」や「全ての人の魂の詩」も披露して本編は終了した。
アンコール前。マイクを握ると「最終公演、いかがでしたでしょうか? 本当に僕の頭の中、気持ち、心臓の中、そんなものを全て詰め込んだものです」と強調した。
「それをこうやって形にしてくださって、本当に大変な作業がたくさんたくさんありますし、本当に短い期間で、普通ではあり得ない速度で濃密な時間をかけて、作っていただけました。演出チーム、映像チーム、照明さん、カメラさん、美術さん含め、全てのスタッフに大きな拍手をお願いします。みんなで力を合わせて、我が子のように作ることができました」
3都市7公演のフィナーレに「Echoesが、Novaを見送ったなという気持ちでいます」と万感の表情で「全魂を込めて作られていただきました」とも感謝した。
「この物語には、日本語で表現するよりスケートで表現する方が得意なので、言葉で表現するのはとても難しいなと思うのですが、僕の根源ですけど、常にみんなが生きていること、って、とっても自然で、奇跡的なことで、運命に翻弄される人も、運命を信じ続ける人も、そんな未来を望む人も、いっぱいいる世の中で、どうか、どうか、ちょっとでも、この今という瞬間を生きているんだってことを、ちょっとでも感じてほしいし、うん、みんな思っているよりも、みんな強いんだよって。強く生きてるんだよっていうことを、祈りとともに、スケートに込めたストーリーです。もうね、Echoesは終わっちゃうけれども、どうか皆さんの中で少しでも、今日が、このストーリーが、僕のスケート映像が、演出が、そしてELEVENPLAYのダンスが、ちょっとでも未来に向けて歩きたいって思える瞬間になれば、ありがたいなと思います」と神妙に振り返り、拍手を浴びた。
「苦しいこともあるし、人生きれいごとばかりじゃないし、皆さんが一番、分かってらっしゃると思います。突然苦しいこととか、突然、希望が失われたりとか、世の中にはたくさんあると思います。それでも皆さんは、ここにいて、これを見て、これを聞いて、そんな瞬間は絶対に細胞自体は生きているし、絶対にこれからも生きたいって動き続けてくれるので、どうか信じて受け止めて、進んでやってください。これからもEchoesが皆さんの人生にとって、生きるきっかけになったら、うれしいなと思っています」
ここで笑顔になると「はい、重い話をしました。でもね、伝えたかったことは全てストーリーに詰め込んでるので、いまさら蛇足かなと思いつつも、でも自分自身、ちょっと感極まっているところもあって、あらためて言葉で、いま一度、説明させていただきました」と語った。
続けて「ということで、こんな重い話をした後ですが、アンコールやります。氷がキレイだな~。ここまでの舞台を作っていただいたこともなかったですし、ジャンプも跳べたし、事故のないように頑張りました」。恒例の「Let Me Entertain You」での場内一帯の振り付け指南から、ファンの心を1つに、コロナ禍に光が差すことを願った曲を演じ切った。
最後は「MEGALOVANIA」を激しく決めると、冬季五輪2連覇の「SEIMEI」を自ら「代表曲です!」と紹介して舞い、スタンディング・オベーションを浴び、大団円を迎えた。
本公演は、制作総指揮を執る「Yuzuru Hanyu ICE STORY」シリーズの第3弾。「GIFT at東京ドーム」「RE_PRAY TOUR」に続く物語で、昨年12月7日の30歳バースデー、さいたまスーパーアリーナから独創的な物語をつづってきた。【木下淳】
◆Yuzuru Hanyu ICE STORY 3rd-Echoes of Life-TOUR 人生の旅路や成長をテーマに「命」とは、そして「生きる」ことの本質とは、を問う。過去2作と同様に、演出にはMIKIKO氏を迎えた。さいたまスーパーアリーナで昨年12月7、9、11日、広島グリーンアリーナで今年1月3、5日、ららアリーナ東京ベイで2月7、9日の3都市7公演。全国の映画館等でライブ・ビューイングが行われ、CSテレ朝チャンネルでも独占生中継された。