異色の写真集が話題になっている。全国の書店には流通させない、完全予約受注生産-。フィギュアスケート男子の2018年平昌オリンピック(五輪)日本代表で、現在はコーチやプロスケーターとして活躍する田中刑事さん(30)の公式写真集「TANAKA KEIJI Official Photo Books」(2冊組み)のことだ。
「撮影期間4年、制作期間2年半-。数万カットから田中本人が1点1点、吟味し、選び抜いた写真の数々を収録しました。フィギュアスケーター『田中刑事』の軌跡と記録を、ぜひ1人でも多くの方に味わっていただけたらと思います」
23年2~5月にクラウドファンディングを行い、現在制作中。出版社から刊行という、一般的な販売手法では締め切りなどの制限があるため、納得いくものを作り上げるべく自前で出版する異例の道を選んだという。
撮影も、プロ転向後の第1作「ショパンの夜に」だけで10回もカメラマンを招き入れるなど、徹底的にこだわった。受注生産のため限定的な部数での制作が進められていたが、ファンを中心にSNSなどで拡散され、このほど、追加注文を行うことが決定している。
本人も、印刷費や紙代の高騰を受け「少しでも制作に携わってくださっている方々に…」と、予定にはなかった追加受注に踏み切ったという。
そのこだわりは2冊組みに表れた。<1>はポスター級の写真を中心に128ページ。<2>はスケート人生の軌跡と演技の流れを中心に194ページものボリュームになっている。
田中さんは21-22年シーズン限りで現役引退し、コーチ、プロスケーターとして活躍。今月9日まで行われた「羽生結弦notte stellata 2025」(宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ)にも出演していた。
◆田中刑事(たなか・けいじ)1994年(平6)11月22日、岡山県倉敷市生まれ。小学校1年からスケートに親しみ、小3から林祐輔コーチに師事。羽生結弦、日野龍樹ら同期と、小学生時代から全国大会でしのぎを削った。11年世界ジュニア選手権で銀メダル。全日本選手権は16年から2位、2位、3位。18年平昌五輪に出場し、世界選手権は17年から4季連続で出場権を獲得した。刑事の名は「正義感強く育って欲しい」と父が命名。172センチ。