<男子日本代表広報リポート 第5回>
バレーボール男子日本代表の島崎圭二広報がお届けする「男子日本代表広報リポート」の第5回。ネーションズリーグ(VNL)から世界選手権まで代表チームに密着。舞台裏や秘話を交えながら、選手情報やトピックを不定期連載でお届けします。
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6月11日に始まったVNLが終わりました。1カ月に及ぶ長丁場の戦いは、ベスト8で幕を閉じました。今回は、中国・寧波で行われたファイナルラウンド(R)を振り返ります。
予選Rを8勝4敗の4位で、上位8チームによるファイナルRに進出した日本代表。準々決勝では、世界ランキング1位のポーランドと激突しました。
負けたら終わりのベスト4進出をかけた戦い。ここを突破しないと、目標である3大会連続の表彰台には届きません。しかし、VNL通算でポーランドには0勝7敗。国際試合で15年以上勝てていない難敵です。
石川祐希キャプテンは試合前、「今までVNLでメダルを獲得した時は、準々決勝ではランキングが僕らより下の相手との戦いを勝ち抜いてきた。でもパリ五輪の準々決勝のイタリア戦や22年世界選手権のフランス戦では勝ちがつかめずに表彰台を逃している。僕たちにとっては、世界ランク1位とのポーランド戦は成長できる大きなチャンス。とても大事な試合だと思う」と決意を話しました。
出場する全ての大会で表彰台に立つことを目標にした日本代表にとって、最大の難関を迎えました。
試合会場は、ほぼ満員。私の感覚では、日本を応援してくれるファンの方が多かったように思いました。
ファイナルRにふさわしい舞台で世界王者と戦った日本でしたが、結果はストレート負け…。それでも、1、2セットはわずか2点差のシーソーゲーム、セット終盤まで互角の展開を演じましたが、ここを取り切れなかったことが全てでした。勢いに乗った相手に第3セットは圧倒され、成す術がありませんでした。
ロラン・ティリ監督は敗戦直後のコート上で「1、2セット目は競った展開になったが、ストレートで負けたことは事実。我々はここから、もう一度スタートしなければならない。1人1人が何をしなければいけなかったのか、この試合は忘れないようしよう。この先絶対に倒さなければいけない相手だから」と、選手たちを鼓舞しました。
敗戦という教訓から、選手たちは何をつかんだのか。口をそろえるのは、競った場面で迎えるセット終盤のメンタルとスキルの差です。
高橋藍選手「終盤に受け身になりサービスエースを取られたのは自分たちの甘さ、攻めていって逃げ切れる、終盤でも崩れないメンタル面やスキルの高さを求めていかないと」
小川智大選手「終盤になるにつれ、細かいミスが日本チームの方に出ていた。サーブレシーブからの1本目を高くしたり、サイドへ良いトスをしっかり上げる。シンプルなことを精度高くできるようになれば、結果は変わってくると思う」
今年のVNLを制したのはポーランドでした。ファイナルRでは、日本だけでなく、準決勝ブラジル戦、決勝イタリア戦と、1セットも落とさず頂点に立ちました。
日本代表の次の戦いは9月の世界選手権。ポーランドとは、ベスト16か準々決勝で再び対戦する可能性が高い組み合わせになっています。
「あのチームを倒さなければベスト4には入れない。表彰台は達成できない。残りの時間で質の高い練習をして、しっかりと強いチームを作って行きたい」
石川キャプテンのこの言葉が、今のチームの合言葉です。次こそはポーランドを破って表彰台に立ちましょう!
◆島崎圭二(しまざき・けいじ)1965年(昭40)2月7日、埼玉県羽生市生まれ。テレビ制作会社のディレクターとして、TBSスポーツ局で勤務。バレーボール男子日本代表担当として、05年から21年まで取材。東京五輪後は1度バレーボールの現場から離れたものの、恋しさから広報カメラマンとして復帰。