日本馬術連盟は15日、元特攻隊員で茶道裏千家の前家元、千玄室会長が亡くなったことを公式ホームページで報告した。「逝去のお知らせ」として「令和7年8月14日に、当連盟の千玄室会長が逝去されました。102歳でした」。1923年(大12)4月19日の生まれで、連盟会長職は2003年(平15)に80歳で就任して以来、前人未到の12期目に入っていた。
「2003年からの長きにわたり強いリーダーシップと馬術に対する愛情と熱意をもって、会長として連盟を導いてくださいました。会長が願い続けた『強い日本の馬術』を実現するために、役職員一同これからも尽力してまいります。会員の皆様には引き続きご理解、ご支援をお願いいたします」
「なお、今後のことにつきましては現在お知らせできることがございません。決まり次第ご案内いたしますので、ご了承ください」
連盟は6月19日、都内で開いた総会と臨時理事会で役員改選し、千会長を再選したばかりだった。新理事20人による互選で決まっていた。任期は2年だった。
当時「千会長は満102歳で、かつ連続12期目ですが、健康状態も良好で、外務省から日本・国連親善大使および外務省参与として委嘱されているなど、国際文化交流や友好親善の推進に寄与しております」と説明。「当連盟の事業においても、国際交流・親善や日本馬術界の発展への貢献は多大であり、連盟を代表する会長として余人をもって代えがたい存在です」と理由を明確にしていた。
規約は、国が策定する競技団体向けの「ガバナンスコード」に準じており、理事の定年は「70歳および連続任期は5期(10年)まで」と定められている。一方で「理事を務めることが不可欠であると理事会で認められた場合」「定年は、理事のうち1名については理事会の議決によって適用しないことができる」との条項があった。
茶道裏千家の15代家元だった千会長は、同志社大時代の1943年(昭18)に学徒出陣で、大日本帝国海軍に入隊。特攻隊員になった。出陣はしなかったものの多くの同志を失い、精力的に戦争の実体験を語り継いできた。戦後80年に、その生涯を閉じた。