【バレー】世界選手権前の過酷な合宿、メンバー選考…「ライバルだけど助け合い」/広報リポート

秋本(下段左から4人目)の誕生日を祝う女子日本代表(C)JVA

<女子日本代表広報リポート 第7回>

バレーボール女子日本代表チーム帯同広報がお届けする「女子日本代表広報リポート」の第7回。坂本藍風広報が、ネーションズリーグ(VNL)から世界選手権まで代表チームに密着。舞台裏や秘話を交えながら、選手情報やトピックを不定期連載でお届けします。

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22日に開幕した世界選手権では、3戦全勝で1次リーグ首位突破を決めた女子日本代表。今回は、世界選手権に向けて再始動した国内合宿を振り返ります。

ネーションズリーグ(VNL)を4位で終え、ポーランドから日本に帰国。2日間の休息の後、練習をスタートしました。日本での合宿はオフも含めて20日間で、実質練習できたのは約15日間でした。

8月1日の練習からアウトサイドヒッターの黒後愛選手、セッターの岩崎こよみ選手の2人を加えた17人のメンバーで開始。最初は時差ぼけや、休み明けということもあり基礎練習をメインに調整を行いました。久しぶりのボールの感覚。選手たちも楽しそうに和気あいあいと練習を行いました。

しかし、リラックスムードはフェルハト・アクバシュ監督の一言で一変しました。6日の練習開始の円陣時。「これからのスケジュールをお伝えします。今日の午後から6対6の練習を始め、7日、8日でゲームを行い、8日の練習終わりに世界選手権に行く選手をコーチ陣でミーティングして決めます。皆さんには9日の練習終わりに発表します」と伝えられました。

代表は14人。3人がチームを離脱することになります。黒後、岩崎選手の2人に話を聞いてみると、「選考というとドキドキするけど、自分のやるべきところと役割を見失わなければいい」と黒後選手、「今できることはみんなと楽しみながら出来ているし、みんながVNLで見てきたものや課題を聞いて、感じながら自分もそういう選手に近づけるように頑張りたい」と岩崎選手。合流からまだ時間があまりたっていない中での選考という状況ですが、

思いを教えてくれました。

選考中の3日間の練習は、6対6のゲーム練習が主。男子大学生に手伝いに来てもらい、左利きのディグ(スパイクレシーブ)対策などにも力を入れました。全体練習後には自主練習に励む選手たちの姿も。ウエートで重りを持ち上げて足腰や瞬発力を鍛えた後、ボール練習をするなど、課題を修正し、より精度を上げるために取り組んでいました。選手たちの向上心や精神力、責任感を改めて肌で感じました。

同じポジションでも個性や強みも違う中で競い合うことは難しいし大変。私はそう思っていました。ただ、選手たちと話していると「ライバルでもあるけど助け合い。自分を成長させるためには盗めるものは盗む、戦うのは日本。誰が選ばれてもチームとして良いプレーをすることがベストだし、もしダメでも次また頑張る」と前向きな言葉が辺りから聞こえてきました。自分のことだけでなく、チームを一番に考えていることが伝わってきて、とてもかっこいいと思いました。

9日の練習後にメンバーが発表され、黒後選手、岩崎選手、塩出仁美選手の3人がチームから離れました。

11日から19日までの練習は今までで一番過酷だったと感じます。ほぼ6対6の実戦練習。

その日ごとにさまざまな課題が課せられ、クリアできるまで終わらないという頭も身体疲れるような練習が続きました。アクバシュ監督が「なし」と言わない限り、自主練習の量の多さは変わりません。

指揮官から厳しい言葉をかけられたら、すぐに選手たち自身で対話する。チームは本当にコミュニケーションを大切にし、厳しい状況を乗り越えてきました。

日本での国内合宿は19日に終了。世界選手権の後に今季の代表活動が終了するため、今までお世話になった体育館の掃除や整理整頓を全員で行いました。

VNLでの悔しい思いをこの世界選手権で晴らすべく、選手たちは今まで以上にたくさん考えて練習し、メダルを獲得するために頑張ってきました。

タイでも多くのファンの方々が応援しに来てくださり、選手たちもうれしく思っていると思います。引き続きたくさんの応援よろしくお願いいたします。

◆坂本藍風(さかもと・あいか)1999年(平11)11月8日、東京都西東京市生まれ。小学生からテニスを始め、高校ではサッカー部のマネジャーを経験。現在は番組制作会社に勤務。現在日本バレーボール協会広報チーム撮影班として女子日本代表チームに帯同し、選手たちの日々の様子を撮影中。