フィギュアスケート女子の元イタリア代表で14年ソチ五輪銅メダルのカロリナ・コストナーさん(38)が、自国開催の26年ミラノ・コルティナ五輪を待ちわびている。
初出場の06年トリノ大会から20年。8月30~31日にKOSE新横浜スケートセンターで行われる「フレンズ・オン・アイス」では、ゆかりのメンバーで夢の共演が実現する。
現在は男子のエース鍵山優真(22=オリエンタルバイオ/中京大)のコーチを務め、エキシビションは振り付けを担当する。このほど書面インタビューに応じ、母国の五輪へ思いを明かした。【取材・構成=阿部健吾】
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荒川静香さんの金メダルに熱狂したトリノ五輪から、まもなく20年を迎える。コストナーさんは当時19歳。9位となった競技はもちろん、開会式で旗手を担うなど存在感を示していた。
「私の心に永遠に残るものになりました。開会式で国旗を掲げたのは、人生で最も栄誉ある瞬間の1つです。静香が金メダルを獲得した瞬間では、勇気、そして優雅さの可能性が示され、非常に感動的でした。あれは人間としての私を深く形作り、今日に至るまで、私を鼓舞し続けています」
「フレンズ・オン・アイス」では、自身や荒川さんに加え、五輪初出場のトリノで躍動した高橋大輔さん、銀メダルのステファン・ランビエルさんの4人で共演する。演目を自ら振り付けると、20年ぶりの母国開催をより実感したという。
「トリノは大切にしたい思い出であり、この機会にフィギュアへの愛、スケートがもたらしてくれた友情、感じたことを未来の世代に共有したいと思っています。静香、大輔、ステファンと演技をする機会に、大きな興奮を感じています」
23-24年シーズンからは22年北京五輪銀メダルの鍵山に、コーチの1人として携わる。自身の強みであるスケーティングや表現面でアドバイスを送り、メインコーチである鍵山の父正和さん(54)を支えている。今季は人気ピアニスト角野隼斗さん(30)が書き下ろしたオリジナル曲で舞うエキシビションの振り付けとしても携わり、教え子が備える才能の一端が見えた。
「私の願いは彼の非凡なスケート技術だけでなく、感性、芸術面を強調することでした。彼のスケートは数歩で驚くような速度に達します。感情を表現し、観客と従来以上に、深いレベルでつながるスペースを与えることを目指しました」
秋の五輪シーズン本格化を前に、鍵山はすでに地方競技会2大会に出場。ショートプログラム(SP)、フリーはもちろん、エキシビションの作品でも、唯一無二の個性を示す1年だ。
「優真の振り付けをすることで、彼の新たな一面を見られました。規律の正しさ、技術の卓越性はもちろん、どれほど学習能力が高く、深い思考、創造的な頭脳の持ち主であるかを知りました。素晴らしい楽曲に合わせて滑ることを楽しんでほしいと思っています」
コストナーさんは選手ではなく、フィギュア界を支える人となって特別な五輪を迎える。かけがえのない1年を、日本のスケーターたちと駆け抜けていく。
◆チケット販売 トリノ五輪に出場したコストナーさんら4人のスペシャルナンバーが組み込まれた公演は、30~31日に会場で当日券の販売も行われる。詳しくは「フレンズ・オン・アイス」の公式サイト(https://friendsonice.com/)にて。
◆カロリナ・コストナー 1987年2月8日、イタリア生まれ。4歳で競技を始め、ジュニア時代から浅田真央、安藤美姫らのライバルとして世界のトップレベルで活躍。169センチと長身で、長い手足を生かしたスケーティングが代名詞だった。五輪は06年トリノ大会から18年平昌大会まで4大会連続出場。12年世界選手権優勝など表彰台6度、欧州選手権は優勝5回。