【フィギュア】開口一番の反省、変わらぬ姿勢 坂本花織、ミラノ五輪へラストシーズン本格始動

女子SPで演技する坂本(撮影・前田充)

<フィギュアスケート:チャレンジャーシリーズ(CS)木下グループ杯>◇第1日◇5日◇大阪・関空アイスアリーナ◇女子ショートプログラム(SP)

3月の世界選手権銀メダルの坂本花織(25=シスメックス)が、ラストシーズン初戦に臨んだ。65・25点で4位発進となり、首位の千葉百音(木下グループ)と7・86点差。4カ月半ぶりの競技会で現在地を確認した。

22年から世界選手権で3連覇した日本のエースは、6月に今季限りでの現役引退を表明。来年2月のミラノ・コルティナオリンピック(五輪)で22年北京大会銅メダルを上回る結果を残すべく、弾みをつける一戦とする。

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坂本は例年と同じように、ラストシーズンを迎えた。場内アナウンスのたびに自国ファンの歓声がひときわ大きく響くが、最終年への特別な感慨はない。

「今日は必死だった。そんなことを考える余裕もなくて」

今大会を10月から本格化するシーズンへの予行演習の場と捉える選手も多い中、いつものように自分と向き合った。だからこそ、開口一番で反省の弁が出た。「想定内。練習でもノーミスの確率は低かった」。自己ベストを約15点下回り、素直に現状を受け止めた。

冒頭から3回転ルッツ、ダブルアクセル(2回転半)を決めたが、最終3本目で乱れた。連続ジャンプのはずが単発の2回転フリップのみにとどまり、約10点分を失った。

この日の早朝の通し練習でも連続ジャンプでミスをしており「鬼門になっていたところ。緊張感がまだまだ足りなかった。最近はのほのほと練習していた」と自分に矢印を向けた。

銀メダルだった今春の世界選手権も、その姿勢は同じだった。4連覇を逃した翌朝には「今季は調子の波がすごくあって安定した練習ができていなかった。ちゃんと負けた」と口にした。その上で再び世界一を目指す立場を「超ラッキーじゃん」と前向きに捉えた。

現実を受け止め、成長の糧とする。それが強さを支えてきた。

ラストシーズンもそれは変わらない。この日の4位発進も糧とする。

「緊張した上でも、できないといけない。やっとスイッチが入りました」

その積み重ねの先に、ミラノでの歓喜はある。【藤塚大輔】