<カーリング:ミラノ・コルティナ五輪最終予選代表決定戦>◇第1日◇11日◇北海道稚内市みどりスポーツパーク◇女子1次リーグほか
五輪2大会連続メダルのロコ・ソラーレが連勝発進を決めた。初戦で、22年北京五輪を争った強敵フォルティウスに、延長の末9-7で勝利。スキップ藤沢五月(34)が最後に相手の石2個をはじき出すスーパーショットを決めた。第2戦でもSC軽井沢クに13-4で大勝。今季は宇宙飛行士の野口聡一さん(60)を招いて、チームを強化。12月の五輪最終予選(カナダ)へ前進した。男子はSC軽井沢クが連勝して、日本代表へ王手をかけた。
◇ ◇ ◇
宇宙まで届きそうなほど、藤沢が叫んだ。「よっしゃー!」。そして「フォー!」。強敵フォルティウスから劇的勝利で会場を沸かせ、両手を突き上げて大喜び。「4年前はカッコつけて負けた。それはやめようと思って全力で喜んだ」と笑った。
初戦から一進一退だった。突き放すたびに追いつかれ、3回も同点にされた。7-7で迎えた延長第11E。失敗すれば負け、成功すれば勝ちの最終投。相手の石へ一直線。彗星のような軌道で、相手の石にドッキング。2つ同時にはじく高難度ショットを決め「練習しておいてよかった」と喜んだ。
2つの後方支援を受けた。勝負の1年を前に、チームは悩んだ。「ロコらしさとは何か?」。行き着いた先は、チーム作りの見直し。外国人とクルーを組み、意思疎通の達人である野口氏が浮かんだ。スペースシャトル、ソユーズ、クルードラゴンと違うロケットで3度宇宙に挑戦。3度目五輪を目指すチームと重なった。吉田知は「力を貸してほしいとダメ元でオファーしたら、快く引き受けてくれた」と明かす。講義を受けて、金言を授かった。「ロコは世界中のどの会場でも、ホームのように戦える。他のチームにできない強みではないか」。稚内で約200人の観衆を味方につけ、開幕戦を勝ち切った。
“宇宙船”を用意した。スポンサーの協力を得て、キャンピングカーを手配。延長戦から第2戦まで2時間もない中、ロコだけの空間でリフレッシュ。個室でミーティングを行い、2戦目で大勝した。当初は拠点の北見市からプライベートジェット案もあった。飛行は実現しなかったが、陸で5時間かけて移動。開幕2連敗を喫した前回は休憩所の確保に苦しんだが、藤沢は「4年前の反省がすごく生きた」と喜んだ。前回と逆だからこそ分かる。「2連敗から立ち直ることもできる。2勝はアドバンテージではない」と引き締めた。目標の世界一へ、発射準備を整える。【飯岡大暉】
◆五輪最終予選代表決定戦の大会方式 女子は2回戦総当たりの1次Lを行い、上位2チームが決定戦に進出。1次Lの直接対決の結果も含めて3戦先勝方式で日本代表を決定し、12月の五輪最終予選(カナダ)に進む。男子は5戦で、先に3勝すれば代表となる。