<カーリング五輪最終予選代表決定戦:フォルティウス6-5SC軽井沢クラブ>◇14日◇女子決勝◇最終戦◇稚内市みどりスポーツパーク
フォルティウスが26年ミラノ・コルティナ五輪への挑戦権を獲得した。
SC軽井沢クラブとの決勝最終戦を6-5で制し、五輪最終予選(12月、カナダ・ケロウナ)に出場する日本代表に決まった。21年11月に北海道銀行からスポンサー契約を打ち切られる苦難を乗り越えて「五輪で金メダル」のために再出発したチームは、4年前に五輪への道を閉ざされた会場で、歓喜の涙を流した。
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「指1本分」が五輪へ明暗を分けた。スキップ吉村紗也香がリード近江谷とハイタッチして力をもらう。ショット前のルーティンだ。大きく息をはいて放った第10エンド最終投。反時計回りのドローショットは、円の中心近くに止まったが、SC軽井沢クの石との差はわずか。18秒間の静寂が続き、ナンバーワンがフォルティウスの石と認められると、吉村は涙を流しながら、近江谷と抱き合って喜んだ。「うれしさと緊張から解放されたほっとした気持ちと。でもうれしさの方がやっぱり勝っていた」と喜びをかみしめた。
「4年分」の思いがこもった1投だった。「北海道銀行」として活動していた21年9月、今大会と同じ会場での22年北京五輪に向けた代表決定戦で、ロコ・ソラーレに屈した。2カ月後にスポンサー契約が終了。今後の活動について、選手同士で話し合いを重ねた。現役引退を考えた選手もいた。それでも全員、五輪への挑戦の道を選んだ。諦めきれなかった。サード小野寺は「こうやって試合ができて本当に純粋に幸せ」と涙した。
目標は五輪出場ではなく、世界一。吉村は日頃から「五輪で金メダル」を口にする。「常に意識するため」だ。23年にはWBC侍ジャパンで優勝に貢献した白井一幸氏をメンタルコーチに呼んだ。同氏のアドバイスを受け、選手同士で自身の取扱説明書を発表し、お互いをより深掘りした。24年には五輪で金銀銅メダル、世界選手権6度優勝のスウェーデン人のエディン氏をコーチに招聘(しょうへい)。「世界一を目指すと決めたので、世界一を知ってる人じゃないといけないだろうと、ダメ元で」と近江谷。強化したメンタルと最強の頭脳とともに、今大会1次リーグから負けたら終わりの崖っぷちに立たされた5試合を勝ちきった。
本番の舞台に立つための関門を突破。一児の母でもある吉村は「みんなで五輪に行くんだっていう強い気持ちを持って、また戦っていきます」と力強く宣言。五輪出場枠を争うさらに厳しい戦いも勝ち抜いてみせる。【保坂果那】