サーフィン五十嵐カノアがゴルフとともに培ったメンタル「すごく助けてくれた」

テーラーメイドゴルフでのサイン会で、ファンの求めに応じてハグする五十嵐カノア

ゴルフとサーフィンー。

陸と海に分かれ、ボード(板)とクラブという異なる道具を扱う。どう見ても異なるスポーツだが、五十嵐カノア(27)は「似ている」という。果たしてどこが…。「メンタルのトレーニングです」と穏やかに答えた。

「サーフィンのイメージがない」と笑う東京・銀座のゴルフショップ・テーラーメイド銀座店で21日に答えてくれたインタビュー。テーラーメイドゴルフは米国カリフォルニア州に拠点を置く。五十嵐の育った土地。そんな縁もあるゴルフ用品が、90年代のロゴを復刻させたアパレル「Heritage-90」のモデルを務めることとなった。

「(ゴルフは)子どものときからやっていて、サーフィンの練習にも、メンタルのトレーニングにもなります。サーフィンのことをいつも考えていたからスイッチオフ(切り替え)するのが難しかった。でも、ゴルフがそれをすごく助けてくれた」

サーフィンの競技は何度も波に乗る。挑む。1度失敗しても、波はまたやって来る。それはゴルフも同じ。失敗しても、次のショットがまた来る。

「サーフィンは、波に乗って技を失敗したら次の波に対して、リセットするのがすごい大切。前の波で技に失敗してネガティブな考えを持って行ったら、また次の波につながっちゃう。ゴルフも同じ感じで、ミスショット…よくないショットを打っても、また次のショットのことを考えないといけないから、その前のリセットがすごい大切で…。ドライバーが良くなくても次のアプローチのショットに向けて、その前のショットを忘れるっていうメンタルの強さというかな、メンタルのトレーニングが本当に似ている」

ゴルフは13歳から始めて、ベストスコアは80。「ゴルフより、サーフィンの方が全然簡単だと思います。ゴルフは本当に難しい。たぶん世界で一番難しいスポーツだと思う」と苦笑いした。

東京オリンピック前までは「もうちょっと時間が自由にあって、ゆっくりゴルフできてピークでした」。今は多忙を極めるため「1カ月に1回できたらラッキー。だけど、1週間に1回は行けるように頑張ってます」。

今季は、8月にタヒチで行われたプロ最高峰のチャンピオンシップツアーのレギュラーシーズン最終戦で順位が後退し、年間ランキング7位で終えた。ワールドチャンピオンを争う「ファイナル5」への2度目の出場を惜しくも逃し、世界王者への挑戦は持ち越しとなった。

「今年も板とか変わった部分もいっぱいあったので、本当になんだろう…自分の100%のサーフィンはできたけど、まだ準備は100%じゃなかったと思う」

それでもまだまだ、次の波はやってくる。ゴルフとともに培ったメンタルで、気持ちは前を向いている。

「今オフシーズンの間に準備を100%にして、来年に向けて間違いなく優勝できるように…という準備をしていきたいなと思います」

この日、子どものときからよく来ていたという「東京・銀座」で、訪れたファンに開いたサイン会。「いつか銀座でサイン会をやるなんて思わなかったけど、それでファンが来てもらったので本当に感謝の気持ちです」。また1つ、新たな波を経験し、前へと踏み出した。