<男子日本代表広報リポート 第7回>
バレーボール男子日本代表の島崎圭二広報がお届けする「男子日本代表広報リポート」の第7回。ネーションズリーグ(VNL)から世界選手権まで代表チームに密着。舞台裏や秘話を交えながら、選手情報やトピックを不定期連載でお届けします。
◇ ◇ ◇
今シーズンのバレーボール男子日本代表の戦いが終わりました。世界選手権の表彰台という目標はかなわず、いま選手たちはそれぞれの思いを胸に、所属チームへと戻っています。
日本にとって、この9月は勝負の月でした。
スタートは世界選手権に向けた壮行試合から。2、3日に行われたブルガリア相手の2連戦。試合会場は東京・有明アリーナでした。
この場所は4年前の東京五輪のバレーボール会場です。石川祐希選手が「4年前の東京五輪は無観客だったので、大勢のお客さんが入ってプレーできたことはうれしかった」と試合後に話した通り、2日間とも平日にもかかわらず1万人以上の観客で満員となり、結果も連勝で盛り上がりました。
2日に24歳の誕生日を迎えた高橋藍選手に24歳のイメージを聞いてみると「まだ若いイメージです、アラサーとも言えないし。後輩に『君まだ若いな!』とマウントを取るには若すぎる感じですね(笑い)」と笑顔でした。
6、7日は場所を千葉県船橋市のLaLa arena TOKYO-BAYに移してのイタリア戦。この2日間とも観客は1万人以上の満員でした。
前回の世界選手権王者イタリアに連敗しましたが、フルセットの熱戦もあり、見応えある2試合だったと思います。
10日に世界選手権の舞台、フィリピン入り。予選ラウンドは3試合。その中で一番のヤマ場が、初戦13日のトルコ戦だということはチームの共通認識でした。
ロラン・ティリ監督は「日本と対戦する3チームの中で、トルコが頭一つ抜けている」。石川キャプテンも「大きい選手が多いので、ブロックがはまってくるとリズムに乗ってくる。セリエAでもプレーする選手が数名いるので、本当に力を持っているチームだと思う」と警戒感を持って試合に臨みました。
結果は…まさかのストレート負け。1セット目の序盤は日本らしいバレーを展開、リードしていました。ところが相手のビックサーブで連続エースを取られると勢いを失い、逆転で1セット目を失うと、残りのセットも同じような展開となり敗戦。
リベロの山本智大選手は、「僕たちが非常に悪かったわけではない。相手のサーブとブロック、ディフェンスが良かったので、そこに苦しめられたという印象。僕たちが取るべき点が取れなかった」と振り返りました。
しかし失った流れは取り戻せず、第2戦のカナダもストレート負け。予選敗退が決まってしまったのです。
第3戦のリビア戦は、モチベーションを保つのが難しいゲームでしたが、チームを引っ張ったのはラリー・エバデダン選手と佐藤駿一郎選手でした。クイックは高い決定率を残し、日本の誇るブロックディフェンスも2人が中心となりコートを支配し、快勝を収めました。
この大会初先発の佐藤選手は「予選敗退が決まっていたけれど、最後勝って終わりたい、笑って終わりたかった。セッターの永露選手とコミュニケーションを取りながら、相手のブロックを確認しながら攻撃ができた」。3戦とも先発出場のエバデダン選手も「点数が入った時の喜び方は、先の2試合もできていたこと。でもこの試合は点の取り方が違った、長いラリーを制する、絶対に取りたいラリーを取り切れたことが勝ちにつながったと思う。今季これだけ長い時間試合に出られたのは初めて。自分の成長のためにも、もっと試合に出続けて結果を残していきたい」と話しました。
石川選手は、目標の表彰台には届かなかった結果に「このシーズンを通して結果は出なかったが、大きな変化、監督が変わったり、チームのメンバーも新しい選手が増えたり、いつもと違う変化がありながら、戦えたことは大きな経験だったと思う。必ず次につなげたい」と前を向きました。
残念な結果となりましたが、この25年シーズンが日本代表にとってムダな1年だったとは思いません。それぞれの選手がこれを糧に前へと進んでいくはずです!
◆島崎圭二(しまざき・けいじ)1965年(昭40)2月7日、埼玉県羽生市生まれ。テレビ制作会社のディレクターとして、TBSスポーツ局で勤務。バレーボール男子日本代表担当として、05年から21年まで取材。東京五輪後は1度バレーボールの現場から離れたものの、恋しさから広報カメラマンとして復帰。