<フィギュアスケート:西日本選手権>◇1日◇第1日◇滋賀・木下カンセーアイスアリーナ◇女子ショートプログラム(SP)
2年ぶりの全日本選手権(12月、東京)出場を目指す横井きな結(20=中京大)が、腰痛に苦しみながらも切符獲得圏内のSP8位でスタートした。
2本目に予定していた連続3回転トーループが着氷の乱れで単発になったが、3本目の3回転サルコーに2回転トーループを付けてリカバリー。ミスを最小限にとどめ、51・10点と踏みとどまった。慢性的な腰痛の影響で、2位だった19日の西日本学生選手権後は満足な練習を積めなかったが、「痛くてもやらなきゃ」と覚悟を決めて臨んだ。「ノーミスしたかった」と悔しさをにじませながらも、「スピンは、痛いなりには良かった。恐怖心を抑えてリカバリー出来たのは良かったかな」と振り返った。
痛みを知って、強くなった。大学1年時の23年に全日本ジュニア選手権で8位に入り、同年末に全日本選手権初出場で14位。24-25年シーズンは自身初めて強化指定選手に選出された。ただ、昨年5月に練習中の事故で左足を負傷。手術を経て西日本選手権に出場したが、年末の大舞台にはあと1歩届かなかった。
何度も悔し涙を流してきたが、後退することはなかった。「いろんな場面を経験して、いろんな感情を経験して、落ち込むことが少なくなってきた」。試練を乗り越え、そのたびに経験を糧としてきた。今大会も「最悪なコンディション」で迎えながらも、前向きな思いでいっぱいだった。
「前の自分だったら絶対に緊張していたりとか、『こんな状況で出るなんてどうしよう』って不安が勝っていたと思う。それが、今回あんまりなくて、ちゃんとやれば大丈夫という気持ちがある」
2日のフリーも、ルッツやフリップなど高難度のジャンプを除いた構成で臨む予定。それでも、今の横井には気持ちの強さという新たな武器がある。「また、あの場所へ立ちたい」。今大会の上位8人、全国で28人だけが踏むことを許される、青一面のリンクへ、懸命に滑り抜く。