【フィギュア】全日本切符逃しても…23歳柴野ちりさの思い「去年より納得できる演技ができた」

女子フリーで演技する柴野(撮影・前田充)

<フィギュアスケート:西日本選手権>◇2日◇第2日◇滋賀・木下カンセーアイスアリーナ◇女子フリー

全日本選手権(12月、東京・代々木第一体育館)へと進む、8人が決まった。

柴野ちりさ(23=Kanseiアカデミー)も大舞台を目指した1人だった。

ショートプログラム(SP)は12位発進。フリーは3回転サルコーの転倒などがあり、13位の88・78点にとどまった。合計137・40点の総合13位。8位には7・74点届かなかった。

コーチとしても指導を受ける笹原景一朗さん、吉野晃平さんが手がけた「パイレーツ・オブ・カリビアン」を滑り終えると「最後、足にきていたのもあるのですが、歓声や手拍子をしてくださったおかげで踏ん張れたと思います。去年より満足、納得できる演技ができたと思います」と受け止めた。

所属はKanseiアカデミー。今大会の舞台となった木下カンセーアイスアリーナを拠点に、発足したばかりのチームだ。産業廃棄物や一般廃棄物の収集運搬処理を主とする木下カンセー(滋賀・大津市)がサポートし、柴野も同社で週5~6日勤務している。

春に甲南女子大を卒業した。当初は昨季限りでの現役引退を考えていたが「目標としていた試合(全日本選手権)に進めなかったこともあり、一番には自分の中で、この空間を楽しめずに終わってしまった。『後悔なくスケート人生を終えられたらいいな』と思って『続けよう』と思いました」と今季に歩を進めた。

とはいえ、思いだけでは続けられない。

就職先や支援をしてくれる企業を探していたところ、木下カンセーとの縁があった。練習に向けた勤務時間の調整などもあり「全面的にサポートしてくださって、この1年で環境がすごく変わったのですが、おかげで競技を続けられています」と感謝を込めた。

大会2週間前に右足の疲労骨折が判明。十分な調整とはいかなかったが「やるしかない。良くても、悪くても、自分が得るものがあったらいいな」という思いで2日間の演技を終えた。

「今後のことはコーチと相談したいと思います。周りの皆さんのサポートがあって、続けることができていて、うれしいです」

滋賀で開かれた節目の競技会。1年前より、少しばかり晴れやかな気持ちで会場を後にした。【松本航】