サッカー、バスケットボールで実施されているスポーツ振興くじが、3月で全国販売開始から25年を迎えた。近年は年間1千億円超を売り上げ、スポーツ関連の助成金として200億円程度を確保する貴重な財源となっている。健全性を保った上で収益向上を図りつつ、さらに全国各地へ助成が行き渡る仕組みも始まる。
▽起爆剤
「サッカーくじ」として全国で販売が始まったのが、2001年3月だった。当時の最高当せん金は1億円で、試合結果を当てる「予想系」のみでスタートした。青少年への悪影響を懸念する声に配慮して販売場所を限定し、当せん金も抑えたことなどにより、売り上げは初年度の643億円から徐々に低迷。06年度には135億円にまで落ち込み、存続の瀬戸際に立たされた。
起爆剤となったのが、コンピューターにより無作為に試合結果などが選択される「非予想系」のくじで、当せん金が最高6億円(当時)の「ビッグ」だ。06年に導入され、07年度から売り上げが急上昇し、13年度には1千億円を突破。手軽に購入できるため、現在は9割を非予想系が占める。
22年にはバスケットボールも対象に加わった。人気のある野球での実施を求める動きはあるが、相次ぐアスリートの違法賭博などを踏まえ、抵抗も根強い。くじの運営、販売を担う日本スポーツ振興センター(JSC)の芦立訓理事長は「売り上げを伸ばす一方で、責任ある販売体制が求められている」と強調する。
▽新たな試み
JSCによると、くじの収益を財源とする助成金の累計は24年度までで約2884億円に達した。このうち約1622億円は、地域のスポーツ施設整備や普及のために充てられた。残りの約1262億円が、トップ選手強化など競技水準の向上のために使われている。
くじ助成を受けたことがあるのは全国の自治体の4分の3程度にとどまるため、スポーツ庁は全ての市町村に行き渡らせる新たな制度をスタートさせる。公立中学校の運動部活動を民間団体に委ねる地域展開(地域移行)での活用などを念頭に置いた助成金で、26年度の試行を経て、本格実施する27年度は1自治体当たり約50万円を交付する。芦立氏は「全国にくじの恩恵が届くよう取り組んでいく」としている。