【柔道】田嶋剛希、90kg級ながら全日本初V「遠距離恋愛みたい」同階級の村尾三四郎に勝利

天皇杯を手に笑顔の田嶋剛希(撮影・宮地輝)

<柔道:全日本選手権>◇19日◇東京・日本武道館◇体重無差別

24年世界選手権90キロ級覇者の田嶋剛希(28=パーク24)が、無差別で争う全日本選手権で初優勝を遂げた。決勝で同級で24年パリ五輪銀メダルの村尾三四郎(JESエレベーター)から残り15秒で技あり。そのまま優勢勝ちを収めた。重量級以外の選手の優勝は、12年大会を制した90キロ級の加藤博剛以来14年ぶり。五輪出場なしのベテランが、28年ロサンゼルス大会代表争いに食らいつく。

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優勝が決まると、田嶋の瞳から涙があふれた。「やっと戦えた。やっと勝てた」。真っ先にあふれたのは、同じ90キロ級で格上の村尾に勝った喜び。その次に全日本を初制覇した実感が込み上げた。「全日本を取ったことより、村尾選手に勝てた喜びの方が大きい」と心が満たされた。

土壇場で劣勢を振り払った。3連敗中の相手に優位に進められる中、残り15秒で思い切って足元に潜り込んだ。「無我夢中。とっさに出た」。隅返しで村尾を投げた。技ありで形勢逆転。反射的に出た技で宿敵を倒した。

今大会への出場を決めたのは、村尾が参戦すると耳にしたから。「出ると聞いてスイッチが入った。俺のいないところで優勝されたら困る」。顔を合わせるには決勝まで勝ち進む必要があったが「遠距離恋愛みたい」と楽しんだ。初戦から4連勝で決勝へ。その勢いで村尾も倒し「ドラマじゃん」とほほ笑んだ。

すでに24年世界選手権を制しており、過去8人しかいない「三冠」までは五輪を残すのみ。逆転での代表入りへ、10月の世界選手権で再び村尾に勝ってアピールしたい。「今日みたいに何とか投げたではなく、ちゃんと組んで勝ちたい」。次は世界の舞台で、ライバル撃破を狙う。

◆田嶋剛希(たじま・ごうき)1997年(平9)7月27日生まれ、千葉市出身。5歳で競技開始。国士舘高-筑波大。90キロ級で24年世界選手権、26年GSパリ優勝。得意技は寝技。趣味はゴルフ、キャンプ。血液型O。