<ラグビー京都府高校総体リーグ戦:京都工学院36-12京都成章>◇31日◇たけびしスタジアム京都
「泣き虫先生」に贈る魂の優勝となった。
高校ラグビーの熱血指導でドラマのモデルにもなり、29日に脳梗塞(こうそく)のため83歳で亡くなった山口良治さん。そのカリスマが監督、総監督を務めた京都の名門・伏見工の現校名にあたる京都工学院が悲報後、初めての公式戦に臨んだ。
昨年度の花園準優勝の強豪・京都成章から5トライを奪って逆転勝利し、京都府の総体優勝が決まった。京都工学院・大島淳史監督(43)は「山口先生が作り上げた伏見工の、あの強い赤黒ジャージーを復活させようと、選手を送り出した。今度は(本年度の花園で)先生に日本一を見せるために頑張りたい」と涙ぐんだ。
大島監督は2000年度の第80回大会で主将、フランカーとして3度目の日本一に輝いた。当時の監督は高崎利明さん(64)、総監督が山口さんだった。
「高校3年間だけでなく、卒業後もずっと支えていただいた。私の中ではオヤジ以上の存在」と涙をぬぐった大島監督は、1週間前に山口さんにこの日のチケットを手渡し、食事の約束もしていた。「その時はお元気だった。信じられない…」と言葉を詰まらせた。
京都工学院は2016年に洛陽工との学校統合により、伏見工から名前が変わった。それでも総監督として山口さんはグラウンドに姿を見せ、フランカーの田中琉翔(りゅうしょう)主将(3年)は「優しい先生でした。今日は絶対に負けられなかった。いい報告ができる」と心から喜んだ。
京都工学院は、現校名になって2024年度に初めて花園に出場。今冬に2大会ぶり22度目の出場を達成するのはもちろん、「泣き虫先生」こと山口さんに2005年度以来、通算5度目の日本一を届けることを誓った。