【ハンドボール】PO開幕!ジークスター東京初Vへ 覚醒エース部井久「アダムキャノン」自信

シュートを放つジークスター東京部井久アダム勇樹

ハンドボールの国内最高峰リーグHの王座をかけた戦いが、いよいよ始まる。6月12日、東京・代々木第一体育館でプレーオフが開幕。

昨年9月にスタートしたレギュラーシーズン(RS)の男子は上位6チーム、女子は上位5チームが激突する。日本リーグ時代から豊田合成名古屋が5連覇中の男子では、リーグ加盟6季目のジークスター東京が悲願の初優勝を目指す。

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ジークスター東京のエースで攻守の中心、部井久アダム勇樹(27)は「めちゃくちゃ調子いいです」とプレーオフへ高ぶる気持ちを隠さなかった。「個人としてもチームとしても、今年はこれまでと比べてレベルが上がっている」と初優勝に自信をみせた。

今季もまた、シーズン序盤はケガに悩まされたが、終盤に向けて調子を上げてきた。攻撃ではチームの“大砲”として豪快なゴールを決めながら、繊細なパスで味方の得点をアシスト。守備でも要となる中央のポジションを担いながら積極的なパスカットも数多くみせ、「それが一番手っ取り早いので」と胸を張った。

「競技人生の中で、今がもっとも充実しています」。福岡・博多高時代に史上初めて高校生で日本代表デビュー。代表、チームとフル回転してきた男が、また一段レベルを上げた。史上最速といわれる時速120キロの「アダムキャノン」を豪快に相手ゴールに突き刺す姿は覚醒すら感じさせる。

その土台には、昨年11月に都内に完成したチームのトレーニングセンターの存在がある。専用コートに最新鋭のマシンをそろえたトレーニング場。間借りだったそれまでから環境は激変した。「いいですよ。好きな筋トレも自由にできる。体脂肪率は下がって、筋肉量などの数字は上がっています」と感謝した。

肉体改造が進み、精神的にも充実。何より「ハンドボールが楽しい」のが好調の秘密だ。だからこそ「優勝したい」思いは強い。チームとともに悔しさを味わい続けてきた。特に「チャンスだった」という昨年は、準決勝豊田合成名古屋戦の開始4分に一発レッドカードで退場。チームの敗戦をベンチの外から見守るしかなかった。「あの経験が無駄でなかったと証明する場は、プレーオフしかない」と自らを鼓舞するように言った。

RSでは、ブレイヴキングス刈谷にも豊田合成名古屋にも2敗を喫し、白星は挙げられなかった。しかし、その後のチームの変化に手応えを示す。「攻守ともに共通理解が深まり、チーム力は上がった。ハンドボールのレベルは、上2チームと変わらない」。初優勝へ、“覚醒”したエースは、自信を胸にコートに立つ。

 

◆昨季プレーオフVTR 今季と同様にRS上位の男子6、女子5チームが出場。男子は1回戦でジークスター東京がトヨタ自動車東日本宮城に、大同東海がレッドトルネード佐賀に勝ってそれぞれ準決勝に進出。ジークスター東京は豊田合成名古屋に、大同東海はブレイヴキングス刈谷に敗れ、決勝は5年連続で豊田合成名古屋とブレイヴキングス刈谷の顔合わせとなった。決勝戦は、立ち上がりから主導権を握ったブレイヴキングス刈谷が前半を15-14とリードして折り返したが、後半に豊田合成名古屋が地力を発揮。31-27と逆転して初代王者に輝くとともに、日本リーグ時代から5連覇を達成した。女子はブルーサクヤ鹿児島が初代女王の座に就いた。

 

◆リーグH 日本リーグを前身に生まれた国内最高峰の新リーグで、24年9月に男子14チーム、女子11チームで開幕。将来のプロ化を視野に入れ、地域名を入れたチーム名やプロ契約選手の人数、1試合あたりの観客動員などを段階的に義務化していくことも発表された。ホーム・アンド・アウェーによる2回戦総当たりのレギュラーシーズンを行い、上位チームがプレーオフに進出して優勝を争う。25-26年シーズンもチーム数は変わらなかったが、来季26-27年シーズンから男子に堺リエゾンが新たに加わる。リーグHの「H」には、「HOME」(地域とともに歩む)「HOPE」(希望をもって進む)「英知」(英知を集め、成長する)との思いが込められている。