強豪として知られる東海大大阪仰星高ラグビー部で、昨年12月にいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」が発生していたことが21日、同校への取材で分かった。
当時3年だった男子部員が、同学年の別の男子部員に首を絞められて意識を失う事案が発生。学校は「重大事態」に認定していた。「花園」と呼ばれる冬の全国高校ラグビー大会で6度の優勝を誇り、事案発生は同部が出場した大会期間中だった。
昨年12月31日の練習後、被害を受けた部員は加害部員によって首を絞められて、コンクリートの地面に後頭部を打った。監督はただちに119番通報しなかったが、被害部員は帰宅中に痙攣(けいれん)を起こして救急搬送。診断の結果、脳しんとうや頭痛などの症状によって、全治2カ月と診断された。常習的な暴行は確認されなかったが、今年2月にいじめが原因と疑われる重大事態と認定された。
加害部員は「非常に危険な行為であったことを重く受け止め、相手に多大な不安と負担を与えたことについて深く反省している」とコメントしている一方で、被害を受けた部員は「なぜこのようなことが起こったのか全くわからない」と話しているという。
事案発生時に119番通報をしなかった監督は「今後このような事案が2度と発生しないよう、学校および部として安全管理と指導体制を見直し、再発防止を徹底してまいります。また引き続き丁寧な生徒指導を徹底していきたいです」とコメントしている。
現時点で大会の参加自粛や記者会見を開く予定はなく、同校はすでに文科省、大阪府、大学本部に対し、報告書を提出している。内容の公表については、被害部員や関係者のプライバシーなどの観点から慎重に判断するといい「救急搬送に至ったことを踏まえ、初期対応について課題があったと認識しています。現在、安全管理および緊急時対応の徹底に取り組んでいます。生徒の安全に関わる重大な事案であり、学校組織として重く受け止めるとともに、初期対応を含めた安全管理のあり方を見直し、生徒の安全・安心を最優先に、再発防止に努めて参ります」とした。